書肆萬年床光画関係資料室

写真史や撮影技術、カメラ等について研究趣味上のメモ置き場

PENTAX SFX N + PENTAX-F ZOOM 1:3.5-4.5 28-80mm / smc PENTAX-F 1:4-5.6 35-80mm

PENTAXのAF一眼レフはMZシリーズやその最終形としての*istくらいしか知らなかったというのが正直なところです。

MZ-3、MZ-5、*istと押さえるべきだろうところは最低限押さえてはいるんですが、まじめに作っているのは間違いないものの今ひとつ魅力を感じていませんでした。ファインダーは嫌いじゃないんですが、どうも甲高いシャッター音にびくっとすると言うか。いや、大事ですよこういう感覚の部分。これこそ、スペックに現れない部分だし正解の内部分で、だからこそ色んなメーカーに色んなカメラを作ってもらいたいという部分なんだから。

ところがですね、天神は某店のジャンク箱に転がっていたPENTAX-F ZOOM 1:3.5-4.5 28-80mmというありふれた標準ズームのデザインがいかにもモビルスーツというかガンダムというか、80年代的なゴツゴツした感じにれとろふゅーちゃー的なロマンを感じて救出し、レンズを買ってしまったからにはそれに似合うボディを探してしまったのが運のつきというかなんというか。

PENTAX-F ZOOM 1:3.5-4.5 28-80mm


で、これがくだんのジャンクレンズです。

取り急ぎ当時のフラッグシップ(だよね?)Z-1pを手に入れたのですが、Z-1pの微妙に高級路線を目指したのであろうクラシカルな野暮ったい風合いは、プラモデル的な安っぽいこのレンズには今ひとつ合わず、最終的にこのレンズとセットになっていたらしい"キットボディ(順番が逆(笑))"のSFX Nを手に入れて合わせてみるとやっぱりどんぴしゃなんですよね。デザインにクセがあるというか、セットであることが前提というか。

SFXとZシリーズの基本的なシルエットは共通するんですが、ほんとに微妙な角張りが一体感を生み出しているというか何というか。

さんざん耳たこでしょうが、この時代のカメラのデザインが最近かっこよく見えてしまって困ります。実にロボット的なデザインです。そのまま変形してロボットになりそうです。というかそんなパロディネタでも作れそうな。

背面の大型液晶ディスプレイがまた未来を感じさせます。そういえば、あんまり数を見たわけじゃないですが、PENTAXの古いAF一眼レフのディスプレイは液漏れを起こしているのを見たことないですね。なにが違うのかしらん。このリアのシルエットもなにかアニメの戦闘機のような。

なんとも優等生なデザインばっかりになってしまったデジタルカメラにもっとこうソフトウェアではなく、ハード的なギミックをいっぱいぶち込んで、ものとしてオーラをもった機首をいっぱい生み出して欲しいなと思うんです。

忘れてました、SFXは(これは改良型のNですが)フラッシュ内蔵AF一眼レフとして世界初!だったはず。これがなかなかまたいい感じです。なにかブレストファイヤーでも出しそうな面構えで、ますます男の頃のロボット魂を刺激してくれます。

そういう意味ではPENTAXのK-01とかK-S1は消して悪くないというか、むしろいい!と断言してしまいます。K-S2が出てしまってそちらが非常にまたいいので全うに勧めるならそっちなんですが。防塵防滴完備のK-S1-2とか出ないかしらん(もうなにがなんだか)

smc PENTAX-F 1:4-5.6 35-80mm

で、ついでに部屋に転がっていたsmc PENTAX-F 1:4-5.6 35-80mmもつけてみました。こちらは本来Z-1についていたはずのもので、実際Z-1pとはよくにあいます。が、SFXとも相性がいいです。

ボディが強烈なだけに抑えめのデザインが引き立つんでしょうね。本来のキットレンズのPENTAX-F ZOOM 1:3.5-4.5 28-80mmがAFレンズとしては過渡期のものだからか、マクロを持っているとはいえ、最短撮影距離がちと長すぎるのと比べればこちらの方が使いやすいというのは確かなところ。

フラッシュのポップアップボタンが無駄に黄色というあたり、このカラーリング、言うことありません。最高です。グリップも大きくホールドしやすく、無印のSFXと比べたとき、基本的に同じはずなんですが、ファインダーもさらに明るく見やすくなっていたり、細かに改良されている気配がありマス(PENTAX MF機に通じるSFXのざらついたファインダーは好きですが)。

あとシャッター音も、無印とNでは違う感じがします。以前SFX無印のジャンクも(シャッター一回切ってお釈迦になりました)つかっていたのですが、SFXはかなり豪快な音がして(シャッター自体と言うよりは巻き上げで)いたのに対して、Nはもう少し上質な感じです。どうしても甲高い感じはあるのですが、これは仕方の無いところでしょうか。さっそくフィルムを詰めて持ち出してみることにします。

なお、すでにカメラ事業から撤退しているミノルタのマニュアルがまだダウンロードできるのもすごいことですが、リコーに買収されてしまったPENTAX(およびリコー)ブランドの銀塩カメラの説明書はだいたい以下からダウンロード可能です。

http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/support/download/manual/

こういうことをするメーカーには無条件に惚れてしまうやろ!て感じで職場にリコーの営業マン(残念ながら部門が違うのだけれど)が来られるとついついゆっくりお話を聞いてしまったりするので、やっぱりそういう意味でいろんな分野の事業をもっている企業でブランドイメージって大事なんだなと思ったりする次第なのですっとだらだら語ったこの項終わり。