書肆萬年床 光画資料室

写真史や撮影行為にまつわるあれこれ、またはカメラ等についてよしなしごとを放り込む納戸

件の系統のフェイクライカ 軍艦部切断型目測モデル

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イギリスより件の系列のうち手元では7台目になるフェイクライカが届いたので簡易報告を。この個体の到着により、これまでである程度見えてきたと思った流れがまた分からなくなってしまったし、実はeBayに2019年現在で大量に流通するフェイクライカの一群との関連性も見えてきたので探索は五里霧中の状況になってしまっています。

そもそも軍艦部を半分切断して連動距離計部分を取り去ったバージョンの個体自体が珍しく、これもまた"歴史的参照元の存在しない"フェイクライカです。

シルエット自体が大きく変わっている点からも、いよいよフェイクからファンタジーの領域に踏み込みつつある個体と言えますが、このような加工がどの時点でなされたのか、そもそもこのボディの加工自体はこのチームでなく別のチームによるものなのかもしれずいろいろ考えさせられます。

なお、このバージョンは珍しいと書きましたが、このtwitterのフォロワーの皆様の間で少なくともあと二台が観測されているのが恐ろしいところです。

ボディの形式もさることながら、のちにSMKとなる指標が8MKであったり、筋彫りの加工が雑であったりと加工に習熟していないことを思わせるものなのですが、今度はフィルムの巻き戻しノブの装飾は後期のものと思われるものであったり、まだまだ考察が不十分であることを思い知らされるばかりです。

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手元のフェイクエルマー含めていったい何本目だというインダスターだすが、若干珍しいタイプではあります。

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しかし、この個体の一番の魅力は徹底的に使い込まれた個体だということにあります。

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この個体の人の手の触るところはどこも塗装がはげて下地が見えています。一度や二度触ったぐらいではこうはなりません。

このフェイクライカはショーウィンドウにディスプレイされたり防湿庫にコレクションとしてしまい込まれたりするための"飾り"ではなく、もちろんそのスタイル誕生の経緯は人の目を引くための"ためにする"奇矯なファンタジーであったのは間違いないでしょうけれども、この独特のスタイルを愛し、使い込んだオーナーがいたということは覚えておきたいと思います。