光画図書室閉架書庫

写真史や撮影行為にまつわるあれこれを放り込む納戸。

目次

このブログの主要記事一覧です。ご参照ください。 photoworks.hatenablog.com

薄雷山(薄恕一)(1910)『雷山畫集』序文と雑感

薄雷山(恕一)が1910年に出版した『雷山畫集』(雷山画集)を買い求めましたので、その序文を起こしました。あと雑感を多少。 何を持って「写真集」と定義するかは議論となるところですが、個人による写真集として日本で最初期の一冊であることは確かです。…

米谷紅浪「画題に就て」(永見徳太郎『夏汀画集』(1912年)への寄稿)

永見徳太郎の『夏汀画集』には徳太郎(夏汀)の挨拶に続いて八名の寄稿があります。そこに並ぶ顔ぶれは郷土の関係者と写真関係者に大きく分かれますが、故がついていることからもわかるように将来を嘱望された画家であり、徳太郎と同世代の渡邊よ平(渡辺与…

永見徳太郎『夏汀画集』(1912年)序文

永見徳太郎が1912年に自費出版した写真集『夏汀画集』の序文を起こしました。徳太郎当時22歳。浪華写真倶楽部の「写真界」等に投稿を繰り返していた時期で、印刷は同倶楽部の後援でもある桑田商会。なお、発行は奥付でも1912年12月15日となっているのですが…

海外写真界の現状 ②(フォトアート臨時増刊「質問に答える写真百科」(1958.6)所収)

先だってから紹介しているフォトアート臨時増刊「質問に答える写真百科」(1958.6)所収の記事で「写真界知識編」コーナーの一つ(無署名記事により 著作権保護期間は満了)。 前回紹介した「海外の有名写真家を紹介して欲しい」という質問に対する回答のコー…

海外写真界の現状 ①(フォトアート臨時増刊「質問に答える写真百科」(1958.6)所収)

先だってから紹介しているフォトアート臨時増刊「質問に答える写真百科」(1958.6)所収の記事で「写真界知識編」コーナーの一つ(無署名記事により 著作権保護期間は満了)。 「海外の有名写真家を紹介して欲しい」という質問に対する回答という設定で編集さ…

AERA.dot/『アサヒカメラの90年』 勝手リンク集

先日、JCIIののサイトで孤立したディレクトリになっている可能性のある「写真人とその本」というコーナーについて勝手リンク集を作成しましたが、AERA.dotの連載「アサヒカメラの90年」(鳥原学 全24回 ※元はアサヒカメラ誌上での連載)についてもまとまった…

日本写真界の現状 ②(フォトアート臨時増刊「質問に答える写真百科」(1958.6)所収)

先だって1958年6月の写真誌概況(フォトアート臨時増刊「質問に答える写真百科」所収)という記事を投稿しましたが、これはこの増刊の中の「写真界知識編」(p371~)という特集の一部でした。 この特集では当時の日本写真界、そして世界の写真家を総合的に捉…

パウル・ヴォルフ(井上鍾 編)1942『ライカ写真の完成』番町書房より抜粋

パウル・ヴォルフの『ライカ写真の完成』より一部(「フイルム・フイルター・現像」pp.9-25)を抜粋します。ヴォルフ(1951年 逝去)の著作権はあらゆる意味で切れていますが、これは翻訳であるため訳文に翻訳者の二次著作権が発生します。しかし、翻訳者不…

日本写真界の現状 ① いま出ている写真雑誌と編集者を紹介して下さい (フォトアート臨時増刊「質問に答える写真百科」所収)

1958年6月の写真誌概況。フォトアート臨時増刊「質問に答える写真百科」所収の記事。昨年のアサヒカメラ(アサヒ新聞社)に続き日本カメラ(日本カメラ社)が倒れて会社清算にまでいたり、フォトテクニック誌に源流をもつフォトテクニックデジタルの休刊が発…

カメラ雑誌の"月例"写真を批判する(「フォトコンテスト」(1960年11月号),写真同人社)

「フォトコンテスト」誌1960年11月号ではこの年度の”他のカメラ雑誌の”月例受賞作からフォトコンテスト誌がベストテンを選出するというなかなか挑発的!な企画が行われたのですが、その特集に際しての武烈孫(ブレッソン)氏の批評。 これはこの年度の”他の…

六○○万人の戸惑い アマチュアの"定義"をめぐる論争 (「フォトコンテスト」(1961年1月号),写真同人社)

「フォトコンテスト」誌(1961年1月号)所収の評論が興味深かったのでテキストを起こしました。(匿名記事にてすでに著作権の保護期間は終了しています) 主要なカメラ誌で一瞬起こりかけた名取洋之助とそのほかの写真評論家、ハイアマチュアの間の議論です…

東郷堂『ナイス号 撮影法』

東郷堂のNice号の撮影マニュアルです。Nice号については以前簡易な報告をしていますが、今回入手した個体にはこれまで見たことのない撮影法の冊子が入っていました。東郷堂と暗室不要・白昼現像フィルム使用カメラについては以下の記事でまとめているのでご…

写真・カメラを主題として取り上げている、または作中で重要な役割を果たす漫画作品リスト(2021/03/28版)

現在 147作品紹介(2021/03/28 現在) 写真・カメラ(あるいは撮影)を主題として取り上げている、または作中で重要な役割を果たす漫画作品を紹介しています。ただ「登場する」というのではなくある程度具体的な描写があり、実際のカメラ史や写真史、撮影・…

『新案特許 東郷堂製 明光印画紙 説明書』

『新案特許 東郷堂製 明光印画紙 説明書』 東郷堂 ヒット号(トウゴーカメラ・ヒツト號(下図)) 添付のもの。フィルムではなくこちらは印画紙の説明書だが、こちらも明光フィルムと同様一枚ずつ紙製の撮り枠に入っていて、注意は必要ながら焼き付けから現…

永見徳太郎(1937)「東郷堂製カメラの躍進」(「カメラクラブ(1937年5月号)」ARS社)

※ 以下は「カメラクラブ(1937年5月号)」に掲載された永見徳太郎による記事である。この号の特集は「大衆カメラの研究」であり、1937年当時の大衆の写真熱とその層にむけて売られた大衆カメラの実情が取り上げられている。 ※ 永見は東郷堂製カメラについて…

(編集メモ)永見徳太郎 写真誌等掲載記事(カメラ・写真関連)一覧

※ 以下は永見徳太郎の上京(1926年)後に、カメラ・写真誌を中心に、ときに総合誌に掲載された中で主にカメラ・写真に関する記事を抜き出したものである。一部、個人的な関心で長崎に関する記事や詳細不明の記事も載せているが、基本的にはそれらは省略して…

永見徳太郎 1932 『珍しい写真』粋古堂 序文

永見徳太郎が1932に粋古堂より出版した『珍しい写真』の序文を起こしました。 永見徳太郎(1950年 逝去)の著作権はあらゆる意味で切れており、また国会図書館の公開する「インターネット公開(保護期間満了)」にあたるデータですので公開に問題ありません…

長田重昭氏旧蔵(推定) マミヤ製 一眼レフ試作機 等についてのレポート(速報版)

※ 以下、今後に向けた個人用の記録用メモとして作成した文章です。推測による記述が非常に多く、内容の正しさについてはこれを「一切」保証しません。 ※ Twitterの引用部分には誤字・脱字や、また後から修正された見解がそのまま載っていますが、システムの…

撮影メモ 20200712

*カメラ:Kiev-4a(Custom Paint)*レンズ:Helios-103 53/1.9*フィルム:ILFORD XP-2*撮影開始:2020/07/12*撮影場所:市街地周辺 メモ:ロシアから届いたカスタムKiev(先行試作機・試用分)のテスト。Kievとはまだ十分に「友達になった」という感覚はないのだ…

写真集紹介コンテスト「 #あなたの一押し写真集 」全エントリー紹介

5月15日から6月5日にかけてツイッター上で「 #あなたの一押し写真集」という写真集紹介コンテストを開催しました。 写真集紹介コンテストを開催します!告知&概要【 写真本選書企画 その2 】|https://t.co/ogbIDcO5QT「 #あなたの一押し写真集 」という、…

長崎に関わる写真家・写真師考

twitter上で全国47都道府県の写真家をnoteでまとめている方がいらっしゃったのに触発されて以下の様なコメントを戯れに書いてみました。 長崎に関わる写真家・写真師監督 上野彦馬芸術的1番 永見徳太郎不動の4番 栗林慧燻し銀のキャッチャー 井手傳次郎県外…

撮影メモ 20200510

*カメラ:Fake Humanoid(Ukrainen / Black)*レンズ:Jupiter-12 35/2.8*フィルム:FOMAPAN 400(expired)*撮影予定:2020/05/10*撮影場所:未定*メモ:ちょっと特殊な経緯で成立した「ライカ」の幻影のさらに解像度の低い複製品という、ある意味物語性は豊…

撮影メモ 20200510 / Kiev IIa

*カメラ:Kiev IIa*レンズ:Jupiter-8 50/2*フィルム:KODAK Tri-X*撮影開始:2020/05/10*撮影場所:未定 メモ:前回の試写から間が開いてしまいましたが、前回はフィルムの装填でミスをしていてほぼ全滅。そういうときに限って調子よく撮れたつもりになって…

Log 2020/05 the 1st week

4月分の色々をまとめておこうと思ったのが終わらないので5月分を先にやろうかと思ったが上旬だけで既に結構な量で、そも4月分に取りかかろうとしたのも3月までを無視しないととても終わらないと言うことだったのではなかったかということを思い出すなど。 — …

「写真」という翻訳語はむしろPhotograph / Photgraphy理解の妨げになっていやしないかと思うことがある。それも年々増えていく。 「写真」とすることで日本写真史が輝いた側面も確かにあるのだけれど、その方面を"最終的に"後押ししたのが土門拳で、その負…

20200211 ストリート その2

体感露出かつ目測撮影で、現像はへたり気味のSPD決め打ちという雑な代物では下手に現像の情報とかは出せないなぁとは思うところ。参考にならないし、していただいてそれがフィルムやレンズ、現像液の特徴と誤解されてしまうと不幸なことになるというか。 フ…

20200211 ストリート

撮る<現像<スキャンの順で、かつモノクロ<カラーで時間と手間がかかってしまうのでどうしても未現像フィルムがたまっていく。きちんと生活リズムに組み込まないと現像が終わらない。 また、仕事帰りでも気合いを入れれば4本前後の現像(モノクロ)まではな…

20200118 トルハルバン

トルハルバンは韓国の済州島にある石像で道祖神的なものらしい。これがなぜうちの敷地の隅にひっそりとたたずんでいるかと言えば、本家が元々東シナ海の離島にあって水産業を営んでいて、当時の感覚で言えば海を挟むというのはお隣さん感覚だったことと関係…

岡井耀毅 1992 『日本列島写真人評伝 -風土と写真の光景-』日本写真企画

** 岡井耀毅 1992 『日本列島写真人評伝 -風土と写真の光景-』日本写真企画 恥ずかしながらこの本を知らなかった。平成に入ってからの出版なのにも驚くのだけれど、フォトコンテスト(現フォトコン)の別冊とは…本誌の連載の単行本化だろうか。 この取材がで…