中平卓馬逝去
中平卓馬逝去について最初twitterやFbに流れ始めた時点では半信半疑だったが、メディアに確定情報が流れた。瞑すべし、としてよいのかどうか。
本当に中平卓馬が亡くなったのか。ショックが大きい。「きわめてよいふうけい」は一度見たいのだけれども、機会を得られないままでいる。
写真集「来たるべき言葉のために」をはじめて見たときの衝撃。そして、作者がそれを全否定して、その後の経緯を知ったときの二度目の衝撃。忘れられない。
- 作者: 中平卓馬
- 出版社/メーカー: オシリス
- 発売日: 2010/06/15
- メディア: 単行本
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手持ちの中平卓馬関係の文献を読み返している。
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/02/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いろいろ新しい気づきもあった。現状では中平の逝去について、どこも型通りの報道にとどまっている。追って写真誌を中心に特集が組まれるだろう。
河出の道の手帖の中平卓馬特集が、すでに六年も前のものであったことにショックを受けた。この間、私は何をしてきたろうか。そして私のなかの中平についての情報も、ここで止まっていたのだった。私は、まだ彼はF-1を手に町を歩いているイメージを持っていたが、実際には12年ごろから療養生活を送っていたらしい。入った施設の規約の関係で、最後はカメラを持てなかったらしいということも目にした。そのあたりの経緯も知りたい。
私が中平に惹かれるのは、彼にとっては写真が先にあったのではなく、言葉が先にあり(彼は数か国語を操る編集者だった)、そこから詩との間で写真を選び取っていったという経緯があるからだろう。
- 作者: 中平卓馬
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/10
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こういうタイミングを商売にするのもどうかというのはあるけれど、ここを逃すと中平卓馬のドキュメンタリーはソフト化できないと思うので、してほしいと切に願う。
後期の仕事も広く紹介され、よく知られた記憶喪失以前とそれ以後を断絶とせず、トータルな視点で捉え直す評論を期待したい。