『効率よく!写真史と名作に出会うためのお勧め本30冊+α』をまとめるためのメモ その1
(メモ)
出版が勢いを失ったたという指摘は多いですが、最近も書店では「写真」入門を謳う書籍の出版が相次いでいるようで、またWebでもそのような趣旨の連載をみかけます。
それ自体はうれしいことなのですが、中身に目を通してみると、おや?と首をかしげるところがあります。なるほど「カメラの使い方」「レンズの使い方」は述べられているのですが、肝心の「写真」の話が出てこないのです。
たとえば絵画の入門書があったとして「それが筆の使い方」「絵具の種類」で終始するとしたらそれはおかしなことではないでしょうか。たいていの「絵の描き方」の入門書だとしても、そこで紹介される絵具や技法は「描こうとするジャンル」と密接に結びついたものになっているはずです。
翻って見ると、どうもこのカメラ大国で、いざ「写真」に興味を持ったときに、いったいどういう表現が可能なのか、その広がりと過去の名作にふれるための手がかりはとてもか細くなっているのではないか…と思い、まずは手持ちの本で、なるべく簡単に、なるべく手軽に「とりあえずやってみよう!」と思ったとき、撮影の合間合間に読み進めたら半期ぐらいでその広がりと歴史をつかめるのじゃないかな、という本を見繕ってみます。
本格的にまとめるのは後回しにして、Twitterでメモ的につぶやいたのをまとめておきます。というわけでこういうコンセプトで行きます。
『効率よく!写真史と名作に出会うためのお勧め本30冊+α』
— 播磨屋 市蔵 (@afcamera_mania) 2018年2月28日
* コンセプト
できるかぎり新刊で入手可能なもの
まぁ、どんなに高くとも普及帯安レンズ一本に及ばないけれども!
(さすがにジャンクレンズには及ばないけれど、それ以下のもあるよ!)
読むな、眺めろ。
(気に入った頁は読むも良し)
「写真とはなにか」と考え込むのも「写真って自由さ」と開き直るのもちょっと待って。まずは写真をいろいろ見てましょう。
『効率よく!写真史と名作に出会うためのお勧め本30冊+α』
— 播磨屋 市蔵 (@afcamera_mania) 2018年2月28日
0.ガイダンス
一冊目『ピュリツァー賞 受賞写真 全記録』
リアリズムの傾向の強い日本で取っつきやすい名作史。
二冊目『深読み! 日本写真の超名作100』
ダゲレオタイプから現代写真まで。大まかな通史のイメージが抱ける良書。なぜ品切!
- 作者: ハル・ビュエル,ナショナルジオグラフィック,デービッド・ハルバースタム(序文),河野純治
- 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
- 発売日: 2015/09/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『お勧め本30冊+α』第二回
— 播磨屋 市蔵 (@afcamera_mania) 2018年3月1日
1.概論
三冊目『カラー版 世界写真史』
*数少ないハンディな通史。品切れが近いか。刊行後14年を埋めた改訂版希望。
四冊目『50の名機とアイテムで知る図説カメラの歴史』
*カメラ史を軸に文化・写真史を追う。訳書なので視点が面白い。最近の動向も入っているのが◎。
『お勧め本30冊+α』第三回
— 播磨屋 市蔵 (@afcamera_mania) 2018年3月10日
1.概論(2)
五冊目『この写真がすごい 2008』
六冊目『この写真がすごい 2』
共に大竹昭子の編集。前回までと正反対に細かい説明はなしにとにかく様々な"すごい"写真を集めたアンソロジー。二冊の間の6年で判型が小さくなるなど、世相の世知辛い変化も読み取れる。
『お勧め本30冊+α』第四回
— 播磨屋 市蔵 (@afcamera_mania) 2018年3月10日
1.概論(3)
七冊目『日本の写真家101』
八冊目『世界の写真家101』
ひと区切り。ここまででとりあえず気になった作品の作家の名前をパラパラ拾うくらいで。これから何度でもめくることに。特に『世界~』の方は文字ばかりなのでいきなり開くのは辛いのでこの辺りで😅
『お勧め本30冊+α』第五回(1)
— 播磨屋 市蔵 (@afcamera_mania) 2018年3月15日
2.演習(1) 「作品としての写真」
九冊目『すぐわかる作家別写真の見かた』
2018年現在入手可能な数少ない入門書。55名の作家を並べ要領よく概略をまとめて当時の社会情勢や運動との関係性を資格的に表す良書。世界写真史が軸だが、コラムで日本人作家への影響も扱う。
『お勧め本30冊+α』第五回(2)
— 播磨屋 市蔵 (@afcamera_mania) 2018年3月17日
2.演習(2) 「作品としての写真の見方」
十冊目『写真美術館へようこそ』
150年で写真は何を表現しようとし/するものとされて来たかを軽妙な語り口でコンパクトにまとめる。読みやすく、一冊で細かい人名・機種名より余程大事なおおまかな写真・作品史の流れがつかめる。