写真・カメラを主題として取り上げている、または作中で重要な役割を果たす漫画作品リスト(2021/03/28版)
現在 147作品紹介(2021/03/28 現在)
写真・カメラ(あるいは撮影)を主題として取り上げている、または作中で重要な役割を果たす漫画作品を紹介しています。ただ「登場する」というのではなくある程度具体的な描写があり、実際のカメラ史や写真史、撮影・現像等のプロセスに踏み込んだものを中心に掲載しています。
- 年号は連載ではなく単行本準拠(一部除く)。複数の版がある場合は最初のものをとりあげています。いずれ物語の舞台になっている年代で分類するのもやってみたいですが時間切れです
- 写真や撮影技術、カメラやその周辺文化の作中での取り扱いの程度には差があります
- SF・ファンタジー色の強い作品でカメラをモチーフにしたガジェットが登場しているような場合、またカメラマン等の職業や写真についての関連文化について実態と大きく異なった描写がされている作品でも、カメラや写真に対する社会の認識のありようを表していると取られる場合は収録しています。(2021/03/24 追記)
- なるべく正確であるように心がけていますが、保証はできません。ご利用は各自の判断でお願いします
漫画作品としてのストーリーや表現での評価によるリストではないので作品としての完成度にはバラツキがありますが、それでも時代の空気を濃厚に感じさせるものなど、当時の写真作品を鑑賞するうえでの参考資料になりうる作品があります。
興味深い作品についてはいずれ個別に紹介できればと思うのですが、未読の作品も多く今後集めて読んでいく上でのリストでもあります。
リストの作成に当たってはTLにご恵投をいただいた皆さまからの情報を参照させて頂きました。ありがとうございました。もし取りこぼしがありましたら申し訳ありません。
※ 更新は終了していますが、改訂の予定はあります。
◆ 写真・カメラを主題として取り上げている、または作中で重要な役割を果たす漫画作品リスト
現在 147作品紹介(2021/03/28 現在)
(更新履歴)
※ 2021/03/28 ライカ伝,エリア88,らんだむくらぶ,キャッパマン,FRESH,BOYS BE...2nd Season,くそじいじとカメラと私 追加 全146作 最新の更新分のみ掲載、それ以前の更新情報はリストの末尾で掲載
(1950年代)
・一峰大二(1959~)『事件カメラマン』芳文社
※ 「痛快ブック」昭和34年1月号~昭和36年春)連載。作中ではスピードグラフィックや当時の最新鋭機種「キヤノンP」もかなりリアルに描かれているとのこと。
(1960年代)
・一峰大二(1961~)『探偵カメラマン』講談社
※「少年クラブ」昭和36月号~37年3月号連載。
・寺田ヒロオ (2011)『カメラマン金太郎』(上下) マンガショップ
※ 連載は「小学三年生」(1962年~)
・さいとう・たかを (1968~)『ゴルゴ13』(199巻~続刊中) リイド社
※ 長期連載のなかで写真・カメラとそれにまつわるテクノロジーや周辺文化を題材としたエピソードが定期的に登場している
・藤子不二雄 (1969~)『ドラえもん』(全45巻) 小学館
※ 藤子・F・不二雄。長期連載のなかで写真・カメラとそれにまつわるテクノロジーや周辺文化を題材としたエピソードが定期的に登場している
(1970年代)
・藤子不二雄 (2002)『喝揚丸ユスリ商会』中央公論新社
※ 藤子不二雄A 連載は1973~「劇画ゲンダイ」
・秋本治 (1977~)『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(全200巻) 集英社
※ 長期連載のなかでカメラが銀塩からデジタルに移行していく過程を定期的に取り上げている
・江波じょうじ (1977)『カメラマン・サム』 朝日ソノラマ
・岡元あつこ (1977)『ひいらぎ写真館』朝日ソノラマ
※ 表題作を含む短編集
・さいとう・たかを (1977)『カメラマン寸前』(全2巻) リイド社
・望月あきら (1978~)『ズーム・アップ 』(全8巻) 秋田書店
・坂口尚 (2000)『坂口尚短編集 (第1巻)』チクマ秀版社
※ シリーズ/午后の風の一作「コラージュ」収録。初出は月刊コミックアゲイン(1979年5月号)
・新谷かおる (1979~)『エリア88』(全23巻) 小学館
・細川智栄子あんど芙~みん (1979~)『伯爵令嬢』(全12巻) 秋田書店
※19世紀末のパリが舞台。後半、主人公は女流カメラマンとして活躍。
・政岡としや (1979)『ああ 日本活動Y写真』 少年画報社
※ 活動写真とは映画、Yとは猥褻、活動Y写真でブルーフィルムのこと。直接の写真ではなく映画だが、関連分野の記録ということで収録。漫画図書館Zで公開(後述)。
(1980年代)
・池沢さとし(1980~)『シャッターシャワー』(全4巻) 集英社
※ マンガ図書館Zで公開(後述)
・柴田あや子 (1980~)『恋のシャッターチャンス!』(全6巻) 集英社
・鳥図明児 (1981)『夢庭園』奇想天外社
※ 短編集。「星の群れ草の群れ」収録。「マンガ奇想天外」掲載
・新谷かおる (1981)『シリーズ1/1000sec.』(全2巻) 朝日ソノラマ
・石田 まさよし (1982~)『ピントぴったし』(全8巻) 小学館
・たがみよしひさ (1982~)『軽井沢シンドローム』(全9巻) 小学館
・藤子不二雄 (1982)『夢カメラ -異色短編集5』小学館
※ 藤子・F・不二雄
・川崎ゆきお (1983~) 『ライカ伝』(上・下) チャンネルゼロ/プレイガイドジャーナル社
※ 単行本での書き下ろし作。直接カメラ・写真に係わる物語ではないが、登場人物や国名などが実在するカメラブランドを下敷きにしている。神話的なストーリーの背景に、ごく大掴みにではあるが日本製カメラの攻勢に守勢に立たされていくドイツ製カメラという枠組みが援用されている。マンガ図書館Zで公開(後述)
・万里村奈加 (1983)『ラブ・フォーカス』講談社
・三山のぼる (1983~)『ブリキ細工のトタン屋根』(全5巻) 講談社
・矢野健太郎 (1983~)『ネコじゃないモン!』(全13巻) 集英社
※ 2000年代のリイド社版には作者による時代の解説ありとのこと
・くらもちふさこ (1984)『東京のカサノバ』(全2巻) 集英社
・小山田いく (1985~)『ウッド・ノート』(全8巻) 秋田書店
※バードウォッチングが主題
・田渕由美子 (1985)『浪漫葡萄酒』集英社
※ 表題作を含む短編集
・大和和紀 (1986)『N.Y.小町』(全8巻) 講談社
※ 舞台は明治。主人公の志乃はやがてアメリカに渡って写真師となり活躍する
・ゆうきまさみ (1986~)『究極超人あ~る』(全9巻) 小学館
※ 2018年に続編の第10巻刊行
・里見桂 (1987~)『スマイルfor美衣』(全12巻) 小学館
・築島進×左京景 (1987)『突撃バリバリ君』桃園書房
・小山田いく (1989)『ろこモーション』(全3巻) 秋田書店
・つげ義春 (1988)『無能の人』(日本文芸社)
※ 短編集。「カメラを売る」収録
(1990年代)
・吉森信也 (1990年頃?~)「らんだむくらぶ」学研
※ 未単行本化作品。連載は学研の写真・カメラ誌「CAPA」。1993年ごろにBN(Brand New)を冠した新シリーズ「BNらんくら」に移行。
・あさりよしとお (1991)『まんがサイエンス』(全12巻) 学研プラス
・荒尾和彦/嶺岸信明 (1991~)『カメラマン物語』(全5巻) 日本文芸社
・八城正幸×井上紀良 (1991~)『GULFの鷹』(全3巻) 集英社
・原秀則 (1991~)『部屋においでよ』(全7巻) 小学館
・柳澤一明/小池 一夫 (1991~)『盗撮影手パパラッチ』(全6巻) 集英社
・石川サブロウ (1992)『オレの瞬間 石川サブロウ短編傑作集』集英社
・八幡政男/松本美由樹/斉藤ひさお (1992)『漫画 上野彦馬物語 写真術に賭けた男』全国PGPネットワーク
・森田信吾 (1992)『栄光無き天才たち』(16巻) 集英社
※ 名取洋之助の伝記(生誕~終戦前後まで)
・矢島正雄/はやせ淳 (1992~)『シャッター』(全16巻) 双葉社
・よしもりしんや(吉森信也)×工藤誠一(1993?~)「キャッパマン」学研
※ 未単行本化作品。連載は学研の写真・カメラ誌「CAPA」
・矢野健太郎 (1994~)『バスト・ショット』(全3巻) 秋田書店
・高梨みどり (1995)『ぽうとれいと』集英社
・吉原昌宏 (1995)『ライカの帰還』新潮社
※ 原題「とんびの眼鏡」。9話まで収録。12話を収録した完全版(2007)が幻冬舎より出版
・千田武志 (原作)/今道英治 (画) (1996)『峡友 -三段峡開発秘話-』戸河内町(現・安芸太田町)教育委員会
・赤石路代 (1997~)『サイレント・アイ』(全6巻) 小学館
・玉越博幸×イタバシマサヒ (1997~)『BOYS BE...2nd Season』(全20巻) 講談社
・一式まさと (1998~)『写ゲキboyシュート』
※ 未単行本化作品 (連載:コミックボンボン(講談社))
・奥田桃子 (1998)『FRESH』集英社
※短編集。「カメラ!カメラ!カメラ!」収録。マンガ図書館Zで公開(後述)
・市川ジュン (1999)『幸福の眼』集英社
※ 舞台は料理カメラマンの世界
・冬目景 (1999~)『イエスタデイをうたって』(全11巻) 集英社
・西ゆうじ×田名俊信 (1999~)『蔵の宿』(52巻~) 芳文社
(2000年代)
・谷口ジロー×夢枕獏 (2000~) 『神々の山嶺』(全5巻)
※エベレストで遭難したジョージ・マロリーの遺品とおぼしきカメラ(ヴェスト・ポケット・コダック)が物語のキー
・川崎ぶら/秋重学 (2001)『ニナライカ』河出書房新社
※ 連載は1995~スピリッツ21(スピリッツ増刊号/小学館)。漫画図書館Zで公開(後述)
・ひぐちアサ (2001)『ヤサシイワタシ』(全2巻) 講談社
・六本木綾 (2001~)『オート・フォーカス』(全5巻) 白泉社
・たがみよしひさ (2002~) 『軽井沢シンドロームSPROUT』(全7巻) 秋田書店
・あさりよしとお (2003~)『るくるく』(全10巻) 講談社
・田川滋 (2003)『デジタルカメラのひみつ』学研広告宣伝局教材資料制作室
※ 非売品
・三山のぼる (2003)『フォトガラ屋彦馬』(上下巻) リイド社
・大石まさる (2004~)『ピピンとピント☆』(全3巻) 少年画報社
・高梨 みどり (2004)『アメリカなんて大きらい!』(全2巻) 講談社
・西ゆうじ/木村 直巳 (2004)『ビッグショット』実業之日本社
・畑健二郎 (2005~)『ハヤテのごとく!』(全52巻) 小学館
・木葉功一 (2006)『フルーツ』小学館
※ 短編集。表題作収録
・高木信孝 (2006~)『でじぱら』(全5巻) メディアワークス
・岡井ハルコ/山崎由美 (2007)『写真の神様』講談社
・やまねあやの (2007~)『ファインダーの標的』(シリーズ全10巻) リブレ出版
・GUNP (2009~)『瞳のフォトグラフ』(全3巻)ソフトバンククリエイティブ
・小島あきら (2009)『まなびや』(1巻~未完)スクウェア・エニックス
・双 (2009~)『空色スクエア。』(全4巻) 芳文社
※ 主人公がライカM3を使っている設定
・鳩山郁子 (2009)『ダゲレオタイピスト』(青林工藝舎)
※ 初期の銀板写真が死と深く結びつき、逆説的に永遠や生の欲動を呼び起こすものであったことを描いた作品
・松山せいじ (2009~)『鉄娘な3姉妹』(全4巻) 小学館
・森薫 (2009~)『乙嫁語り』(13巻~以下続刊) KADOKAWA
※ 湿板写真と撮影旅行が登場するのは11巻(2020)以降
(2010年代)
・梅野えり子 (2010)「オート・フォーカス」(読切)集英社
※ 単行本未収録。マンガ図書館Zで公開(後述)。ザ・マーガレット(2010年1月号) 掲載
・たかみち (2010~)『ゆるゆる』(全3巻) 少年画報社
・たかみち (2010)『りとうのうみ』ワニマガジン
・土田健太 (2010)『LOCK ON!』(全2巻) 集英社
・中村尚儁 (2010~)『1/11 じゅういちぶんのいち』(全9巻) 集英社
・杜講一郎×さくらあかみ (2010)「茜色の方程式」(未完) ライスバリー
※ 別名GUNP。未単行本化作品。掲載誌休刊により未完。「ComicリリィPLUS」Vol.1~2(ライスリバー)に掲載。プロローグ「ファーストキス」は前身誌「Comicリリィ Vol.3」(2010)に掲載
・園田健一 (2011~)『ブレット・ザ・ウィザード』(全4巻) 講談社
※ 舞台は1960年代アメリカ
・天王寺きつね (2011)「ネガ⇔ポジ」(読切) 芳文社
※ 単行本未収録?「つぼみ」vol.11(2011) 号に掲載
・松山せいじ (2011~)『ゆりてつ ~私立百合ヶ咲女子高鉄道部~』(全4巻) 小学館
・貴島煉瓦 (2012)『レンズドロップス』(1巻 ※ 打ち切り) 角川書店
・桐木憲一 (2012~)『東京シャッターガール』(全3巻) 日本文芸社
・クロマメ (2012)『【ハメ】俺様カメラマンの言うとおり【撮りっ!】~鬼畜××調教日誌1~』(1巻のみ) KADOKAWA
※ 電子版のみ。合本版が2014年に刊行。
・佐藤順一/momo (2012~)『たまゆら~hitotose~』(全3巻) マックガーデン
・ざら (2012~)『しかくいシカク』(全3巻) 芳文社
・千明太郎 (2012~)『キミイロフォーカス』(全10巻) 秋田書店
・月子 (2012~)『彼女とカメラと彼女の季節』(全5巻)講談社
・鳥飼規世/橘悠紀 (2012)『デジタルカメラのひみつ』学研パブリッシング
※ 非売品
・ナイロン (2012~)『フォトカノ(Your Eyes Only)』(全5巻) 白泉社
※ 本編4巻。外伝1巻
・永山愛子 (画)/蛭海隆志・長倉洋海 (作) (2012)『学習漫画 世界の伝記 NEXT ロバート・キャパ』集英社
・野上武志 /島田フミカネ&Projekt Kagonish (2012)『ストライクウィッチーズ アフリカの魔女』角川書店
・柚木'N (2012~)『フォトカノ(Sweet Snap)』(全3巻) アスキー・メディアワークス
・あさのゆきこ (2013~)『閃光少女』(全3巻) KADOKAWA
・丸山薫 (2013)『事件記者トトコ!』(全4巻) エンターブレイン
・十文字アリノ (2014)『守りたい、年下のアイツ ~カメラマン×ピュア学生~』(全2巻) オトメチカ出版
※ 電子版のみ
・空木哲生 (2014)『スナップガール』KADOKAWA
※短編集。表題作収録
・町村チェス (2014)『フォーカス&コントラスト』宝島社
・永福一成×能條純一 (2015~)『月をさすゆび』(全4巻) 小学館
・野萩あき (2015)『消失ハレーション』KADOKAWA/エンターブレイン
・SILVA (2016)『センチメンタル・ロデオ』祥伝社
・奈華よし子 (2016)『彦馬奔る―写真の開祖の青春の日々』長崎文献社
・西荻緑里 (2017)『潤♂ブライド ~わがままカメラマンの俺様結婚式~』たかだ出版
※ 電子版のみ
・いいだともき (2017~)「カメラバカにつける薬 in デジカメWatch」(連載中) インプレス
※ Web連載。一部私家版による単行本あり。
・おにお (2017~)『ふたりのじかん』(全2巻) 竹書房
・友野ヒロ (2017)『僕の友達は売れないカメラマン』メディアソフト
※ 電子版のみ
・Boichi/稲垣 理一郎 (2017~)『Dr.STONE』(20巻~以下続刊) 集英社
※96話~(11巻収録)でダゲレオタイプ(的なプロセス)を再現する
・本名ワコウ (2017~)『ハダカメラ』(全9巻) 小学館
・秋本治 (2018)『ファインダー-京都女学院物語-』集英社
・あfろ (2018~)『mono』(2巻~以下続刊) 芳文社
・カサイウカ (2018)『あとは恋だけなんだって』コアマガジン
・桐木憲一 (2018)『金沢シャッターガール』竹書房
・たなかのか (2018~)『恋の撮り方』(全2巻) KADOKAWA
・だよね (2018)『野良カメコのピラミッド』KADOKAWA
・阿木絢子 (2019)『シャッターチャンス (女たちのリアル)』大洋図書
※ 電子版のみ
・あるた梨沙 (2019)『明日を綴る写真館』KADOKAWA
・いいだともき (2019~)「カメラバカにつける薬 in デジタルカメラマガジン」(連載中)インプレス
※ 未単行本化作品
・岩見樹代子 (2019~)『ルミナス=ブルー』(全2巻) 一迅社
・桐木憲一/MUGENUP (2019)『写真甲子園 シャッターガール moment』小学館
・こめおかしぐ (2019~)『あの夜に咲く』アフォガードコミックス
※ 電子版のみ。完全版が2020年に刊行
・滝川シズル (2019)『レンズ越しに脱がされて ~強引カメラマンと欲情グラビア~』宙出版
※ 電子版のみ。
(2020年代)
・うず (2020)『くそじいじとカメラと私』ぶんか社
・唐沢野枝 (2020)『水商売まで堕とされて~人気モデル、DVカメラマンと駆け落ち~』秋水社L
※ 電子版のみ
・しろ (2020~)『カメラ、はじめてもいいですか?』(1巻~以下続刊) 少年画報社
・畳ゆか (2020~)『泣いたって画になるね』(1巻~) 小学館
・田中モトユキ (2020)『ペンタプリズム』(読み切り) 講談社
※ 少年サンデー35号(2020)掲載。単行本未収録
・津田七節 (2020~)『秋山さんのとりライフ』(1巻~以下続刊) 秋田書店
・にどね杉 (2020)『NEONTOWN』(全4話) 徳間書店
※ 電子版のみ
・野花さおり (2020~)『ためいきの春に恋の夏』(5話~) ジュリアンパブリッシング
※ 電子版のみ
・灰咲きり (2020)『君の瞳に奪われたい』KADOKAWA
・シリ崎 (2021~)『あの憧れが、レンズ越しに染まる』英和出版社
※ 電子版のみ
(更新履歴)
※ 2021/03/27 ピピンとピント☆,ハヤテのごとく!,ファインダーの標的,鉄娘な3姉妹,りとうのうみ,1/11,ゆりてつ,俺様カメラマンの言うとおり,守りたい、年下のアイツ,消失ハレーション,センチメンタル・ロデオ,潤♂ブライド,あとは恋だけなんだって,あの夜に咲く,レンズ越しに脱がされて,水商売まで堕とされて,NEONTOWN,ためいきの春に恋の夏,君の瞳に奪われたい,あの憧れが、レンズ越しに染まる 追加 139作
※ 2021/03/26 ドラえもん,夢庭園,ぽうとれいと,まなびや,ダゲレオタイピスト,茜色の方程式,ブレット・ザ・ウィザード,ネガ⇔ポジ,あの夏で待ってる,フォトカノ(Sweet Snap),フォトカノ(Your Eyes Only)追加 119作
※ 2021/03/25 ゴルゴ13, ひいらぎ写真館,坂口尚短編集,恋のシャッターチャンス!,夢カメラ,ラブ・フォーカス,東京のカサノバ,浪漫葡萄酒,N.Y.小町,突撃バリバリ君,GULFの鷹,オレの瞬間,サイレント・アイ,幸福の眼,カメラバカにつける薬 in デジカメWatch,僕の友達は売れないカメラマン,野良カメコのピラミッド,シャッターチャンス (女たちのリアル),カメラバカにつける薬 in デジタルカメラマガジン 追加 全108作
※ 2021/03/24 事件カメラマン,探偵カメラマン,こちら葛飾区亀有公園前派出所,伯爵令嬢,キャメラマン,シャッターシャワー,ウッド・ノート,蔵の宿,神々の山嶺,るくるく,空色スクエア。,月をさすゆび,ふたりのじかん,泣いたって画になるね,ペンタプリズム 追加 全89作
※ 2021/03/23 Dr.STONE 追加 全74作
※ 2021/03/23 リスト作成 全73作
(リスト作成にあたって情報提供を頂いた皆さま 順不同)
六波羅深雪@名ばかり専門職 様 @rokuhara7
ヤマダトモコ 様 @yamatomo413
TheoryOfConstreints 様 @kubohisa
awane-photo.com 様 @cvcnet
カズさん 様 @kazz045
久馬 衛 様 @John_Munchkin
Jun Sugawara 様 @syasinbu
リットル 様 @999cc
冬泉 様 @etoileerrante1
Joe 様 @joe500bianco
中嶋秀磨@ひでま提督 様 @imagebank_
初心者マークK.I.M初心者マーク秋葉原超同人祭(3/28)ラ28 様 @xkim99
中嶋秀磨@ひでま提督 様 @imagebank_
dat27103 様 @dat27103
yorgenviche 様 @holespoles
乙城蒼无(Otusiro,Aomu) 様 @aomu
初回特典大ライス 様 @kosakinium
yoshi 様 @yoshi_sdkfz181
最中義裕 様 @monakayoshihiro
白峰彩子 様 @mtblanc_a
高坂 狭霧 /Seraphim 様 @f1m6PbYfv0T8kNk
るくるる 0(:3 )~ 様 @lcrll
エス・ペリカン 様 @skanpeli
漫画図書館Zにおける公開作品
一部の作品はマンガ図書館Zで無料公開されています。(2021/03/28時点)
参考・関連サイト
50作以上の作品をしっかりした記述で紹介している充実したサイトです。残念ながら2013年で更新が途絶えています。最近ではなかなかないスタイルですが、いつまで残るか分かりませんから、内容に興味のあられる方は早めの閲覧をオススメします。
Twitter上でお世話になっていて今回も貴重な情報をお寄せ頂いた六波羅さんの旧サイト。3作品の紹介ですが読み応えのある内容です。この次のサイトでもかなり充実したコーナーを作っておられたのですけれどもそちらは既になくなっています(Googleのキャッシュ等である程度を読むことはできる)。なお、こちらのブログもすでに更新は止まっていますが、いくつかの作品について記事を拝読できます。いつまで残るか分からないのは前述のサイトと同じなので、内容に興味のあられる方は早めの閲覧をオススメします。
次の二つの記事はサンライズカメラのサイト内のコラムです。比較的新しめの記事ですですが、「ヤサシイワタシ」「無能の人」という、サンライズカメラのファン層からはおそらく少し外れたところの作品を読みやすい分量でとてもよくまとめて紹介しています。この「カメラ小説・漫画紹介」のコーナーは残念ながらPart.2までで終わってしまったようですが、ぜひ続けて頂きたかったコーナーです。
以下は比較的新しい形式のブログで紹介作品の重なりも大きいのですが、書影やあらすじの確認では充分参考になると思います。
少し長いあとがき(2021/03/28)
このリストは3月23日に計73作で公開しました。その時点でも現状のウェブでは他にない充実したリストであると自負していましたが、そこから一週間弱、ご覧になった皆さまから寄せられる情報を追加収録するうちにあれよあれよと倍以上の140作越えのリストとなりました。井の中の蛙大海を知らずとはよくいったものです。
最終的に147作のカメラ・写真に関係する漫画作品を並べることになったのですが、現実の写真界の動きとある程度連動するように、世界や正義との葛藤を描く70-80年代から、世界は所与のものとして、あるいはそこへの回路を失った結果として商業的な確立したジャンルを描く80-90年代、そしてそこへの関心も失ってカメラ・写真ともよりパーソナルな、プライベートな関係性を描くアイテムとなっていく00年代以降というおおまかな傾向は読み取れるように思います。(もちろん、他の傾向も様々に読み取りうることでしょうが)
そのなかでも、カメラ趣味や写真部を取り扱った作品はまだそれなりにあげることができるのですが、いわゆる写真表現、現代アートに接続するような作品はほんとうにごく一部で片手に余る状況であり、00年代以降の動きを踏まえた作品は皆無であることは、現代日本における写真表現の置かれた立ち位置として示唆的です。
また、カメラマン・カメラファン(またはマニア)に対する表象・造形が、マニア・オタクよりの作品では内気で純朴か、あるいはその裏面として陰気でマニアックな存在として描かれて、また、おもに男性向けであろう成人誌ではそれを煮詰めたようなゲスなキャラ作りかいわゆる隠し撮り的なテクニックで脅迫するようなインテリヤクザ的になっていくのに対し、他方、BLやTLの方面ではこれも実態からかけ離れたイケメンのオラオラ系で野性的なキャラ造形で描かれるような(あくまで)大まかな傾向も見えてくるのは、世間からの界隈の捉え方として興味深いものだと感じられたところではあります。
・Webに見た夢と現在
しかし、ここまで編集してきて今のWebの検索性の悪さには愕然とさせられました。同時代のホットなものへのアクセスはともかく、過去へと向かう調べ物には(少なくともあたりまえに検索窓を使っているぐらいでは)向かないものになっていることを思い知らされます。
過去作について調べようとタイトルを検索するとECサイトの列がズラズラと並びます。一頁どころか二頁目ぐらいまで埋め尽くされることもありました。それでいて客観的な書誌情報や初出情報は反比例してなかなか手に入れにくいのです。
極めつけはAmazonの検索性の酷さで、題名・作者名で検索しても該当作の頁が出てこないことが何度もありました。はて、取り扱っていないのかな?とGoogleで検索するとそのAmazonの該当頁に行き当たるということは茶飯事でした。様々な版の違い、電子書籍、中古販売が入り乱れて、さらにはなんでもが売っているECとなったときに相対的に書籍というものの重みづけが軽くなってしまって、検索結果に対象作品が浮かび上がることが出来ないようになっているのではないかと危惧します。
著者名やタイトルをあらかじめ知っている私ですらそうなのですから、書店の店頭のような新規の読者との偶然の出会いをそこに期待するのはかなり厳しいでしょう。いまやAmazonは『それで出てこなければ無いと判断されるサイト』だと思うのですが、そこにある該当書籍があらかじめ浮かび上がらないようになっているというのは悲劇です。
ネットが「Webや本を殺す」とは言われましたが、その先に現れるのが90年代的に夢想されたユートピア=永遠に品切れがなく無限に在庫の増える究極の図書館・あるいは書店ではなく、指数関数的に増えていく何が何だから分からないカオスが出来させる「何か」で、それは常に「現在」だけがあって、過去はおぼろげで怪しげなカーテンの向こうという1984的なディストピアです。しかしながら、ここには真理省は存在しない、それがなんとも皮肉です。
出版界の独占を打ち破り本の制限を越えていくとされた「個人サイト」はそれを支えたインフラたる商業サービスが終了するとともに消滅しました。「消滅」です。絶版や廃盤とは違い、もはやそれが存在した事実ごと歴史から抹消されました。どんな優れた歴史家であれそれを復活させることは難しいでしょう。NHKが社をあげておこなっているビデオテープを保存していなかった時代の作品の発掘レベルの労力が必要です。皮肉なのは、そこに積極的な意志=悪意は存在しないとういことでもあります。ただ市場の原理によって、賞味期限の切れた管理コストばかりがかかると判断されたサービスは終了したのです。
しかしWebの隆盛と常時接続の普及に追いやられる形でさまざまな歴史的な雑誌も評論誌も休刊し、また力を失い歴史に接続しリバイバルが起こる回路はかくもか細くなっています。私は一介の漫画読者にすぎず先人や同時代人の「マニアックさ」に到底及ばない人間ですが、写真・カメラを主題とした漫画についてキュレーションサイトが取り上げる作品がこたつ記事と相互参照の循環の中で広がりを持たないのをかねがね残念に思っていたところ、今回ひょんなことから手元に作り貯めていたメモをもとにリストとしてまとめることを思い立ちました。
90年代を中心に7-80年代から00年代まで当時できるかぎりのジャンルの漫画を読み漁った経験が手がかりになりました。最初の公開にこぎつけるまでにもTLの皆さんのご協力を頂きましたが、公開後にさらに倍に到達するボリュームまで情報を頂いたことはまさに公開の意義でした。Web3.0などと謳われる時代に、ひさしぶりに1.0の旧式の時代の熱量を感じることができました。まだ残っているWeb上の先人のご尽力にも回路をつなげられたのも幸いでした。どうかそれらの記事が消滅の前に新しい読者を得ることができますように。
・このリストの限界
正直なところこのリストの限界は色々あります。というよりも限界ばかりのリストです。本来なら初出情報が必要でしょう。読み切りで単行本未収録の作品も多々あるでしょう。成人向けや自治体の指定を受けたような作品は基本的にマーク無しのものまでの一部でほぼギブアップです。同人方面も採用の基準が定まらず諦めました。単行本にまとまらない単話売りの電子書籍をどのように扱ったら良いのか。最低限編集部の介在する作品と、とはいってSNSで投稿された作品や同人作品の商業化との垣根は、よいのか悪いのか限りなく低くなっていっています。
とはいえ、私の写真についての興味関心は戦前から70年代までのものであり、カメラや機材についても90年代ぐらいまでですから、今後私がこのリストを現在から未来の部分を拡充していくかは怪しいところです(過去の部分は適宜改訂するかもしれませんが)。そこは、その部分に関心を持つ方にお任せします。
しかしこのブログは辺境も辺境であり、作品のあらすじや書影が載っているようなものでもないただのリストなのでGoogle検索等で上位になることもないでしょう。もちろん将来的に、提供元のはてなのサービスと心中(あるいは私の心変わりとともに消滅)する性質のものです。
ここをどうするべきかは課題です。結局のところ、紙の形にしてたとえ一作ではあれ国会図書館なりなんらかの公共図書館に納められて公共のデータベースに登録されたものが一番強いのです。Webの理想とは裏腹に近代国家の底力を思い知らされます。
では個人出版をするのか?いくつか作品のレビューを追加し、年代ごとの状況を補足し、デザインを整えるか?それでも、正直なところ一桁頒布できれば御の字でしょう。現在の私にそんな余力は無く、このリストも実のところたまりにたまった仕事のストレスのはけ口(そうなのです)として、噴出した衝動のたまもの、勢いの産物です。このリスト作り自体がストレスになってしまえば本末転倒というものでしょう。
まぁ、自分としては、皆さまのお力添えをいただき、思った以上に長い時間軸で幅広い厚みのある作品が集まって様々に利用の可能性があるリストとなったことに満足して、あとは個人的に少しずつ読んでいき場合によってはレビューをするところまでかな、と考えています。その外で、さてなにがしかの起爆剤となる未来はあるでしょうか。
そんなわけで、ボトルに詰めるには少々長い手紙ですが、このあたりでひとくぎりとしてネットの海に流すといたします。そう、あとはどこかで誰かが活用してくださることがあればなぁ、というぐらいに勝手に期待して。もはや大量のゴミばかりが浮かぶ大海で早晩一つの海洋ゴミと化すだろうことに諦念を抱きつつ。