MINOLTA α-7000 + MINOLTA AF ZOOM 24-100mm 1:3.5-4.5 D 試写/夜の街 雨の街
このあたりとかこのあたりで触れた、ある意味で現行一眼レフシステムのみならず、あらゆる現代のカメラ/写真の始祖*1ともいえるα-7000の試写でございます。
元々は一山幾らでやってきて、狙っていたほぼ全てが告知の通りにジャンクであったという、誰を恨みようもない、ただ黄鉄鉱の山を自分の欲望が黄金にみせるという愚かな身振りの結果のなかに埋もれていた一台。
外装もボロボロで果たして電池を入れても動くかどうかと思わせていたところが、いざ電池を入れてみると当時のミノルタの意気込みが伝わってくる上質な時間を与えてくれました。ファインダーもシャッター音もワインダーの巻き上げ感覚も、今の普及帯APS-C一眼レフなんぞ全部駆逐する勢いです*2。
こういう古びた物が好きなんですが、現行のデジタルカメラの絵作りではどうしても表現しきれないというか、しっかり写りすぎというか、それは写真では無くて画像だろうという絵作りはどうしても違和感が残るのです。
なんでも写すというのはなにも写していないのでは無いか、と思うのです。
無論、防塵防滴なんて訳もなく、またAF一眼レフ第一世代として暗所の性能は悪いといわれますが、激しい雨の中、夜の町中でもそれなりに撮ってくれました。
地方都市の、暗い夜の街をよく捉えてくれたように思います。
こんな歴史的なカメラであり、かえって今のデジタル一眼/レフの方向から取り残された部分が贅沢に作ってあるカメラが、いまや本当に値が付かない。残念な話です。
PENTAX SFX N + PENTAX-F ZOOM 1:3.5-4.5 28-80mm / smc PENTAX-F 1:4-5.6 35-80mm
PENTAXのAF一眼レフはMZシリーズやその最終形としての*istくらいしか知らなかったというのが正直なところです。
MZ-3、MZ-5、*istと押さえるべきだろうところは最低限押さえてはいるんですが、まじめに作っているのは間違いないものの今ひとつ魅力を感じていませんでした。ファインダーは嫌いじゃないんですが、どうも甲高いシャッター音にびくっとすると言うか。いや、大事ですよこういう感覚の部分。これこそ、スペックに現れない部分だし正解の内部分で、だからこそ色んなメーカーに色んなカメラを作ってもらいたいという部分なんだから。
ところがですね、天神は某店のジャンク箱に転がっていたPENTAX-F ZOOM 1:3.5-4.5 28-80mmというありふれた標準ズームのデザインがいかにもモビルスーツ的というかガンダム的というか、80年代的なゴツゴツした感じにれとろふゅーちゃー的なロマンを感じて救出し、レンズを買ってしまったからにはそれに似合うボディを探してしまったのが運のつきというかなんというか。
PENTAX-F ZOOM 1:3.5-4.5 28-80mm
取り急ぎ当時のフラッグシップ(だよね?)Z-1pを手に入れたのですが、Z-1pの微妙に高級路線を目指したのであろうクラシカルな野暮ったい風合いは、プラモデル的な安っぽいこのレンズには今ひとつ合わず、最終的にこのレンズとセットになっていたらしい"キットボディ(順番が逆(笑))"のSFX Nを手に入れて合わせてみるとやっぱりどんぴしゃなんですよね。デザインにクセがあるというか、セットであることが前提というか。
SFXとZシリーズの基本的なシルエットは共通するんですが、ほんとに微妙な角張りが一体感を生み出しているというか何というか。
さんざん耳たこでしょうが、この時代のカメラのデザインが最近かっこよく見えてしまって困ります。実にロボット的なデザインです。そのまま変形してロボットになりそうです。というかそんなパロディネタでも作れそうな。
背面の大型液晶ディスプレイがまた未来を感じさせます。そういえば、あんまり数を見たわけじゃないですが、PENTAXの古いAF一眼レフのディスプレイは液漏れを起こしているのを見たことないですね。なにが違うのかしらん。このリアのシルエットもなにかアニメの戦闘機のような。
なんとも優等生なデザインばっかりになってしまったデジタルカメラにもっとこうソフトウェアではなく、ハード的なギミックをいっぱいぶち込んで、ものとしてオーラをもった機首をいっぱい生み出して欲しいなと思うんです。
忘れてました、SFXは(これは改良型のNですが)フラッシュ内蔵AF一眼レフとして世界初!だったはず。これがなかなかまたいい感じです。なにかブレストファイヤーでも出しそうな面構えで、ますます男の頃のロボット魂を刺激してくれます。
そういう意味ではPENTAXのK-01とかK-S1は消して悪くないというか、むしろいい!と断言してしまいます。K-S2が出てしまってそちらが非常にまたいいので全うに勧めるならそっちなんですが。防塵防滴完備のK-S1-2とか出ないかしらん(もうなにがなんだか)
RICOH デジタル一眼レフ PENTAX K-S1 レンズキット [DAL18-55mm] ホワイト PENTAX K-S1 LENSKIT WHITE 06461
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: Camera
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smc PENTAX-F 1:4-5.6 35-80mm
で、ついでに部屋に転がっていたsmc PENTAX-F 1:4-5.6 35-80mmもつけてみました。こちらは本来Z-1についていたはずのもので、実際Z-1pとはよくにあいます。が、SFXとも相性がいいです。
ボディが強烈なだけに抑えめのデザインが引き立つんでしょうね。本来のキットレンズのPENTAX-F ZOOM 1:3.5-4.5 28-80mmがAFレンズとしては過渡期のものだからか、マクロを持っているとはいえ、最短撮影距離がちと長すぎるのと比べればこちらの方が使いやすいというのは確かなところ。
フラッシュのポップアップボタンが無駄に黄色というあたり、このカラーリング、言うことありません。最高です。グリップも大きくホールドしやすく、無印のSFXと比べたとき、基本的に同じはずなんですが、ファインダーもさらに明るく見やすくなっていたり、細かに改良されている気配がありマス(PENTAX MF機に通じるSFXのざらついたファインダーは好きですが)。
あとシャッター音も、無印とNでは違う感じがします。以前SFX無印のジャンクも(シャッター一回切ってお釈迦になりました)つかっていたのですが、SFXはかなり豪快な音がして(シャッター自体と言うよりは巻き上げで)いたのに対して、Nはもう少し上質な感じです。どうしても甲高い感じはあるのですが、これは仕方の無いところでしょうか。さっそくフィルムを詰めて持ち出してみることにします。
なお、すでにカメラ事業から撤退しているミノルタのマニュアルがまだダウンロードできるのもすごいことですが、リコーに買収されてしまったPENTAX(およびリコー)ブランドの銀塩カメラの説明書はだいたい以下からダウンロード可能です。
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/support/download/manual/
こういうことをするメーカーには無条件に惚れてしまうやろ!て感じで職場にリコーの営業マン(残念ながら部門が違うのだけれど)が来られるとついついゆっくりお話を聞いてしまったりするので、やっぱりそういう意味でいろんな分野の事業をもっている企業でブランドイメージって大事なんだなと思ったりする次第なのですっとだらだら語ったこの項終わり。
MINOLTA α-7000 + MINOLTA AF ZOOM 24-100mm 1:3.5-4.5 D
昨日復活させたα-7000ですが、ひさしぶりの休みにさっそく持ち出してみました。レンズはこれまた腐るほど落ちてるMINOLTA AF ZOOM 24-100mm 1:3.5-4.5 Dです。マクロはないですが、0.5mmまでは寄れるので街中でどんどんスナップして回るにはちょうどいい感じです。
前回紹介したキットレンズのAF ZOOM 35-70 F4.0より精悍で現代的な面構えになりました。まる一日触っていて、しばらく使われていなかった道具につきもののくすみは一切消えて、生きている道具というオーラを取り戻した感じです。
まだ一本目も現像していないのにどんどんフィルムを通してしまって、これで不具合があったらどうしたらいいのでしょうね(笑)
とにかくファインダ−の見え、シャッター音、巻き上げの感覚がしっくりきます。AFは確かに弱いですが、一本撮ってればだいたい傾向がつかめたので、そういうときはさっさとMFで使ってます。
明日には現像に持っていくつもりですが、さてどんな感じに映っているでしょうか。
MINOLTA α-7000 + MINOLTA AF ZOOM 35-70mm F4.0
世界最初の本格的AF一眼レフであり、ライカのレンジファインダー機など一部をのぞく全ての現行カメラシステムのアーキタイプの一つ、ミノルタ α-7000。
このカメラによって当時のミノルタは市場の大部分を押さえました。
高画質ではあって、年々使いやすくなっていたにしても、なおプロ用途であった一眼レフと撮影行為そのものを本格的に一般人に普及させたという意味でも、現行のスマートフォンまでつながる撮影スタイルの源流とも言えるかも知れません。
ジャンクの山*1に埋もれたまま放置していた本機をふと手にとって軽く磨いてみたら、なにやら愛着が湧いてきたので電池を入れてみました。
どうやら生きている。ついていたAF ZOOM 35-70 1:4は残念ながらAFが死んでいる*2が、手持ちで同じ物の動作品を付けてみます。
この時代のズームレンズは捨てるほどあります。
ほとんど似たり寄ったりのスペックのレンズでほぼガワが違うだけなのだけれど、ボディと標準・望遠ズームレンズがセットでデザインされているので、その組み合わせの時に一番しっくりくるというのはあります。
レンズを買ったがために、あうボディを探して無駄に台数が増えるとか。これが名機名玉ってならわかるけれど、ジャンクレンズにジャンクボディの組み合わせなんですよね…それもまたよしか。
デザインはもろ80年代という感じですが、一周回って最近この手のデザインがかっこよく見えてきていいます。とくに、AF ZOOM 35-70 1:4みたいなデザインやカラーリングのレンズはもっとあっていいんじゃないかしらん。
この手の細いボタンのデザインがまさしく80年代の家電という印象、これはこれで目に新しい。なんというかガンダム的というかロボット的というか。男の子的というか。
AF一眼レフというと多機能と大量のボタンで操作にはマニュアル必須という印象があるけれど、α-7000のボタンは機械式一眼レフのダイヤルを一対一で置き換えているだけという感じで、シンプル極まりなくマニュアルがなくとも理解には問題なし。
この時代の液晶ディスプレイの常として液漏れがあるが、実用には充分。
この手のカメラの操作が複雑で面倒くさくなるのは一つのボタンやダイヤルに多機能が割り付けられたりシーンモードなんかが充実するようになってからなんだよなぁ。なぉ、αシリーズのマニュアルはサポートを引き継いでいるケンコー・トキナーから正規にダウンロード可能。なので活用するのが吉。
http://www.kenko-tokina.co.jp/konicaminolta/support/manual/slr/a7000j0.pdf
グリップにひびが入りまくっているのは、劣化して真っ白になっていたのを磨いて良い感じになってきたところで、休日出勤の職場に持ち出して机においたところ、グリップがばらばらに崩壊したというコントのような出来事の結果です(笑)
本体表側だけで電池室カバーや裏面は劣化していても崩れてはいないのは、なにか素材に違いがあるのか。
革でも貼るかと悩んだけれど、結局両面テープを貼ってジグソーパズル決行。
αシリーズのグリップは劣化が激しいです。これをきれいにするには劣化した部分を丁寧にのぞいてやればいいのですが、使い古しの歯ブラシで磨いて新聞紙で磨いたところそれなりに見られる状態になりました。写真ではあれですが、実際にはもうちょっといい感じです。
これもまた劣化気味だけれど速写ケースがあるので実用には問題なし。
使ってみて、α-7000のシャッター音はいい感じです。ミノルタが当時どれだけこのカメラに注力していたのか伝わってきます。このシャッター音だけ聞いていたくなってしばらくシャッターを切り続けました。
また、α-7000のファインダーの明るさと見え、ピントの山のつかみやすさにも驚きます。さすがアキュートマットといったところでしょうか。劣化が感じられないわけではないのですが、それでもなお、です。ションベンちびりそうです。
つけているのはF4通しとはいえ標準ズームなのにまるで単焦点つけてるみたいに感じられます。
これだから、いまのAPSサイズ…いや、フルサイズでさえデジタル一眼レフのファインダーは…EVFなんざ…という話になっていくのですが。
初期のAFなので、遅い・苦手なシーンが多すぎということが言われるんですが、だったらそんなシーンではMFで使えばいいじゃんという話で。
現在の瞬間的にピントが合ってしまうデジタル一眼レフが、どれほど「撮る」という人間の「行為」をスポイルしてしまっているかと思うと、このカメラくらいの動作は十二分に撮るという行為を意識させてくれて、このカメラで撮る価値があると思わされます。楽しいです。
- 出版社/メーカー: 日本カメラ社
- 発売日: 1988/08
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外装が劣化しているものも多いですが、この手のカメラは放置されたことでくすんでしまっているために印象が悪くなっていることも多いので、磨き上げればかなりの質感を取り戻します。そのころには結構な愛着がわいているものです。
世界で最初のAF一眼レフというのがどれほどのものなのか、是非試してみていただきたいカメラです。
それにしても、SONYは現行αシリーズにミノルタ時代のナンバリングを使うのは辞めてくれませんかねぇ。紛らわしくてしようが無い。7000の登場がうわさされていますが、APS-Cのミラーレスなんて、そもそもαマウントですら無いのに…
スナップ / COSINA ZEISS IKON + Canon Serenar 35mm F2.8 + FUJI SUPERIA X-TRA 400
- COSINA ZEISS IKON + Canon Serenar 35mm F2.8 + FUJI SUPERIA X-TRA 400
カバーに"OCCUPIED JAPAN"と刻印された占領時代のこのレンズはカラーでの使用を想定して作られてはいないはずなのですが、私はこのレンズの写し取る色の描写が、これまた大好きなのです。