「単独ムックと需要層と普及台数の関係」試論
立て続けに更新しております。色々資料を眺めているのですが、Canon EOS KissにしろMINOLTA α SweetにしろNikon Uにしろ、単独ムックの作例がどれも似たり寄ったりで、さらに言うなら2016年現在の「写真」関連の概説書もほとんど変わっていないという状況に若干寒気を感じております。
ところで、上記の一覧にPENTAXがはいっていないのはどういうことか!とお怒りの向きがありましょうが、そもそもペンタックスの普及帯AF一眼レフは単独ムックが出版されていないくさいのです(少なくとも私は見たことがない…)。
Amazonでざっと検索して MZ-7のドイツ語(!)解説書は見つかりました。144頁、なかなか気合い入っています。そもそもMZ-7を普及帯一眼レフと言って良いのかは議論のあるところでしょうか(むしろ中級機かと。MZ-3とMZ-5をどう位置づけるか、という問題になりますが。MZ-Sをシリーズの最上級機とするか番外とするか)。
- 作者: Horst Gottfried
- 出版社/メーカー: VFV Verlag, Gilch.
- 発売日: 1999/12
- メディア: Perfect
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ペンタックスQ WORLD―手のひらサイズのナノ一眼 (日本カメラMOOK)
- 出版社/メーカー: 日本カメラ社
- 発売日: 2011/10/19
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単独ムックと需要層の関係
これは以前も触れたことですが、実はEOS Kissシリーズも2代目のNew EOS Kissで単独ムックは終わってるようです。
キヤノンNEW EOS Kiss写真入門―AF一眼レフカメラの使い方・写し方完全マスター編 (日本カメラMOOK)
- 出版社/メーカー: 日本カメラ社
- 発売日: 1997/09
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また、Nikon Uシリーズも最終U2の一歩手前のUsまで、MINOLTAも最終機をα-Sweet IIとするかKONICA MINOLTAのα-70迄とするかで数え方は変わりますが、やはり最終機まではムックは出ていません。
- 出版社/メーカー: 日本カメラ社
- 発売日: 2002/07
- メディア: 単行本
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- 出版社/メーカー: 日本カメラ社
- 発売日: 1999/07
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そう考えると内容については置くとしてもデジタル一眼レフになってからのムックの出版数はすごいことです。
ハードオフのジャンク棚からのぞきみた普及の実情
普及帯AF一眼レフのなかで九州の片田舎のハードオフのジャンク棚で層をなしているうち一番数が多いのが初期EOS Kiss三部作。ほぼ同数で競り合っているのがMINOLTA α Sweet初代とそのバリエーション(S,360si)です。ほとんど見ることが無いのがPENTAX 二桁シリーズでそしてまず見ないのがNikon Uです(かえって三桁シリーズのほうがみるかも)。
ただし、Nikon Uに関しては行きつけのDPEの委託コーナーには複数台あるので、購入層がメーカーの思惑通りのファミリー層とはならず、当時からある程度"分かっている"ニコン党へ流れついたとは言えるのかもしれません。そもそもこのあたりの機種はスペック的には完全な中級機であり、海外ではシリーズ名から違って中級機として正当なナンバリングがされていたりするのです。
結局のところ、ペンタックスMZ二桁シリーズは実際どの層にどれくらい売れたのでしょうね。ペンタックスのMZシリーズはプラ製のピニオンギアが破断してミラーアップしてしまうという持病があるのでそれで動作品が減っているというのはあるかもしれませんがいくらなんでも…と思います。普及帯AF一眼レフのなかでこの手の持病としては最近益々手の付けられない状況になりつつあるMINOLTA αシリーズのダハミラー搭載機のペンタダハミラーの銀蒸着の劣化問題ですかね。
というわけで次はそのあたりを踏まえたEOS Kiss以外の普及帯AF一眼レフシリーズのお勧め度を書いてみようかなと思っております。
いまからフィルムで撮ってみたいという人にEOS Kiss シリーズ(具体的にはIII / III L)をお勧めする5の理由(16.08.14版)
いまからフィルムでの写真撮影をしてみたいと思い立った方に相談を受けることがあるのですが、2016年8月14日現在で私が自信を持ってお勧めする一番のカメラはCanon EOS Kissシリーズです。
キヤノン一眼レフのすべて (Gakken Camera Mook)
- 作者: CAPA編集部
- 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
- 発売日: 2015/01/17
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写真はEOS Kiss III LとSIGMA ZOOM 28-80/3.5-5.6 MACROの組み合わせですが、このハードオフジャンクコーナーで捨て値で転がっているこの組み合わせこそが最も安価に、短時間で、確実に、素晴らしい結果が手に入る組み合わせです。これでフィルム10本を撮影(240〜360ショット)して10枚を選べばちょっとした展示ができます。
- 作者: 篠原俊之,写真の学校東京写真学園
- 出版社/メーカー: 雷鳥社
- 発売日: 2011/06/01
- メディア: 単行本
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と同時に、"玄人"な方々からは軽く見られているところがあるのも事実。そして素晴らしいカメラであるにもかかわらず、決してそのポテンシャルを充分に発揮した使われ方をしていない場合が往々にしてあるというのも確かなところでしょう。ちょっと分かってくると何故か少し持っているのが恥ずかしくなってしまう…そんなところがあるかもしれません。デジタル時代になってもこういうところはあまり変わってませんね。
銀塩EOS Kissは初代が1996年の登場で、お勧めする三代目EOS Kiss IIIが1999年、III Lが2001年とまさしくフィルム最盛期の機種であり、フィルムカメラとしては究極の完成形のひとつです。私にとってはついこないだのことなのですが、今からフィルムで撮ってみたい!と思い立つ様な若い方にとってはひょっとすると物心つく前ということなのかも知れません(流石に生まれる前ってことはない…ですよね?)。しかし、この完成形といっていいようなカメラ達も決して当時から今まで正統な評価を得てきたとは言えないところがあります(メーカーもそのような売り方はしていなかったのです)。
これらのEOS Kissの本来的な価値を引き出し、傑作を撮ることができるのはひょっとしたら当時の状況を知らずまっさらな気持ちで新しく手にとることができる皆さんなのかも知れないと、そういう風に思うところがあるのです。
EOS Kiss シリーズがお勧めな理由 その1
まずなんと言っても安いことです。ハードオフのジャンクコーナーで、程度の良いものがワンコイン以内で手に入ります。お勧めのIII Lでもグリップのべたつき等があるなら324円から美品でも540円くらいであります。108円も充分狙えるでしょう。
対応レンズも28-90mm前後の標準ズームが純正・サードパーティ(SIGMAならマクロ付きも!)がこれまたワンコインで入手できます。
20年近く前の電子機器ですから、残念ながらどんなに状態が良くとも突然に不調になることはありますし、デジタルカメラがそうであるように電子化されたカメラは初心者がトラブルに対応することは難しいです。しかし、レンズでもカメラ本体でもまったく同一機種を即入手できるのはかなり心強いことでは無いでしょうか。ハードオフのジャンクコーナーでそのまま朽ちていくだけだったところが一瞬でも通電して撮影に使ってもらえたらなら、感謝こそすれ恨まれることは無いでしょう。ガンガン使ってあげましょう。
なお、ヤフオク等の使われなくなったユーザーからのセット出品ならジャンク単体より安いこともあり狙い目で、上手くいけば標準・望遠ズームレンズセット、カメラ本体、ストラップ、付属品・説明書類、カメラバックなどついて3,000円以内で手に入ることがありますが、動作確認できているかだけはチェックした方が良いでしょう。
最初はジャンクのカメラとレンズ本体だけでも充分です。もちろん、今が格安とはいえそれぞれほんの少し前まで数万円で売られていたことを忘れないようにしましょう。費用対効果は抜群です!108円のジャンクカメラではなく、5万円のカメラと2万円のレンズを持っていると胸をはりましょう。それでも安すぎる位なんですから!
その2
惜しみない機能てんこ盛りで何でも撮れる傑作機であることです。EOS Kissの源流となったEOS 1000(1990年)は一眼レフからステータスを奪い去ったカメラと言われます。そこから代を重ねて10年近くを経たIII/III Lで撮れない写真はありません。シャッタースピードは1/2000とまずまずのものでAF測距点も7点とスペックは中級機です。あとはそのスペックを引き出せるかどうか、あなたの腕と発想にかかっています!
その3
とても軽く、小さく、動作音が本当に静かなことです。プラスチック筐体のメリットで、III / III Lでなんとたったの355gしかありません。レンズをつけても本当に軽い。それでいて決して質感は安っぽくありません。デザインの流行からすれば一時は野暮ったく見えたのは事実ですが、そろそろ一周回って充分にかっこよく/可愛く見える様に思います。とくに優しいシャッター音を聞くとリラックスして静かな気持ちで被写体に向かえる様に思えます(個人差があります)…というのは冗談ですが。でかいカメラでバシャバシャやるというのは、撮っている本人にとって気持ちが良いというのは分からなくは無いのですが自己満足のきらいもあり、今の時代だからこそ使いたい優しいカメラに思えるのです。
その4
使い方が現在のデジタル一眼レフといっしょなので、デジタル一眼レフを使ったことがある人はなんの違和感も無くすぐに銀塩EOS Kissを使いこなすことができます。 もちろんこれは歴史的経緯が逆な訳ですが、この場合そこは重要でないので突っ込みはご容赦くださいね。
デジタル一眼レフの隆盛とパラレルな後期5、7、Liteは背面に情報ディスプレイ等が追加されたりしてマニュアル無しでは使いにくい(余計な情報に気を散らされる)ところがあるので、そのあたりもIIIまたはIII Lをお勧めする理由ではあります。
その5
そして、フィルムでの撮影を楽しむうえで私がその入り口として普及帯AF一眼レフをお勧めする一番の理由がこれなのですが「35mmのネガフィルム(135フィルム)で適正露出で撮影された写真がどのような描写になるのか」を確実に教えてくれることです。もちろん現代のレンズを使うことが前提ですが、EFマウント(Canon EOSシリーズのマウントの呼称です)のレンズは全て現代レンズなのでここを気にする必要が無いというのもあります。
もちろん、将来的に機械式/電子式のMFカメラやオールドレンズに進むこともあるでしょう。個々人の肉体による「撮影」という身体的行為はこれを使えば解決!という絶対の答えを決めさせませんから。しかし、それらのオールドレンズの描写が、果たしてそのレンズの描写として"正しい"のかどうか(モノクロフィルム時代のオールドレンズをカラーネガで使うと、かなり濁った色味になることが往々にしてあるのです)を判断するためにも、まずは現代のネガフィルムでの最新の正しい描写を知っておくことで自分の中に確固たる基準を整えることができます。
この入り口部分を間違えると、高度な光学と化学の結晶である銀塩写真であるにもかかわらず「フィルムは思った様に写らないから面白い!」というちょっと困った袋小路に入ってしまうことになりかねません。正直、その自己流路線はあまり幸せな方向にすすまないように思うのです。
終わりに
とりあえずEOS Kissシリーズをプッシュする理由を並べてみました。具体的な入手の仕方や使い方、そして肝心の写真とは何かと現在の写真をとりまく環境についての問題(と私が考えるもの)についてはまた項をあらためて書いていきたいと思います。
その前に、なぜどれもだいたい同じスペックを獲得していてそれぞれに個性的かつ魅力的な存在である他社の普及帯AF一眼レフをお勧めしないのかについてをちょっと書いておきたいと思います。私自身、このクラスで一番好きなのはMINOLTA α Sweetシリーズなのですけれども登場から20年が経ち、シリーズごとに色々な問題が出来しています。
(ま、お薦めするにしてもKissやせいぜいα Sweetを除けば単純に球数が違うというのが確かなのですけれども。
SIGMA ZOOM 28-80/3.5-5.6 MACRO(EF) 分解
先日婿に出ることが決まったので動作確認に持ち出したCanon EOS Kiss III L+SIGMA ZOOM 28-80/3.5-5.6ですが、何かがおかしいのです。ファインダを覗くと異様に暗い。それまでZorkiに外付けファインダをつけて目測撮影していたのを持ちかえたとはいえ、さすがにこれはおかしい。緊急事態発生です。
AFは動作するものの、AF動作の前にチッ!チッ!と異音が響きます。レンズを前から見ると電源が入っているのにこの状態。
どうやら絞りを開閉させるギア辺りが外れた可能性が。やがてAFも動作しなくなりました。こうなると電子マウントはお手上げです。
比較で同クラスの純正EF 28-80/3.5-5.6IIを。絞りが開放になっていることがわかるでしょうか。
この状態が正常なのです。鞄にラフに放り込んで雑に持ち歩いたので壊れたのも仕方ないことではあります。このクラスのカメラは素晴らしい性能を気軽に使い倒せるからこそ価値があるのですし。
換えのレンズはいくらでもあるのです。ただ、婿入り先に決まっている若者はこのありふれたSIGMA製標準ズームレンズのマクロ機能を気に入っていたので、純正の標準ズームをつければ良いという話でもないですから、またハードオフ巡りをして代替機を探しておくとしましょうか。
新しいとはいえ90年代末期登場で既に20年前の電子機器な訳で「いつ壊れてもおかしくない」のは確か。ほとんどカメラ(フィルムカメラ)に知識の無い初心者がこういう不調を個人で切り分けるのは難しいし、その点、不調になってもまず直せる場合が多く情報もかえって多い機械式金属製カメラが持ち上げられるのは仕方ないところかとも思うのです。仕方が無いからそちらが持ち上げられているのか本質的に価値があるのかは別問題と思いますが。
まぁ、だからこそレンズもカメラも、今からフィルムで撮ってみようと思うなら壊れてもすぐに代替機が捨て値で手に入り、操作性は現在のデジタル一眼レフとほぼ同じ(順序が逆だ!)というママさん一眼レフこそ至高というこのブログのお約束を再確認するわけですが!
SIGMA ZOOM 28-80/3.5-5.6 MACRO(EF) 分解
そのまま捨てるのも惜しいので成仏したSIGMA ZOOM 28-80/3.5-5.6(CANON EF用)を、ひょっとしたら何とかならないかなと分解してみたのですが、何ともなりませんでした。一部力技で分解(破壊)しています(恥)。勉強にはなりました。
なお、代替レンズとして既に同じものをハードオフのジャンクコーナーから拾ってきました。しめて540円也、マウントキャップ・フロントキャップは付属、フードは別売りで108円でした。ジャンクレンズは付属品もバラバラにされていることが多いので、レンズ本体を見つけたときは周辺のコーナーも探ってみるのが吉です。この辺のことは来るべきEOS Kiss III L解説本で触れたいところですね。
さて、分解過程を振り返ります。最終的に取り出したレンズ前群と後群、絞りユニット。
絞りを取り出せたのは本当に最後の最後だったので私が修理するのはそもそも不可能ごとだったと思うのですが、レンズの前方からアプローチすればなんとかなったかも。なお、手動では絞りは動作しました。広角域と望遠域で別の制御をしているのですかね、これは。
レンズ前群は銘板を剥がしてひたすら回すという定番でいけますのでカビ程度ならすぐ掃除できそうです。後群を取り出すには半田が必要になりますが、絞り開放にして前群を外した穴から綿棒などで掃除できるでしょう。
樹脂製マウントを外した状態で広角端と望遠端。
中身はほんとにスッカスカです。実は私はこのレンズを各種マウント合わせて20本ぐらい買ってます。使いやすくてよいレンズですよ。
ただこのSIGMA ZOOM 28-80/3.5-5.6ですがI型はROMがデジタル対応してないそうでCanonデジイチでは使えないそうです(さっき知りました)。II型は対応しているそうですが。先ほど書いた様にこのレンズはI・II型併せて20本以上、αA・K・F・EFと各種マウントを買ってきましたが、デジタルで使ったことはほぼ無かったのですよね。
AF/MF切り替えスイッチは裏の金具がクラッチ的な働きをして、フォーカスリングにつながるここのギアをモーター側のギアから切り離してフリーにして手動で動ける状態にするわけですね。
このSIGMA ZOOM 28-80/3.5-5.6は簡単な改造で望遠端だけでなく全域マクロにできるらしくて(知らなかった!)。実用品が500円台で転がっているうえ、黴び玉も簡単に掃除できるし、手に入ったら遊んでみるのも手ですね。思ったよりずっと構造はシンプルでしたし(壊しましたが)。
- SIGMA ZOOM 28-80mm F3.5-5.6 II MACRO ASPHELICALを買った / 今日覚えたこと
SIGMAのサイトには残念ながら旧製品の情報がほとんど無いので、先頃買い集めた一眼レフ用交換レンズのムックが役に立ちます。
- 作者: 西平英生
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 1999/06
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さらに分解を進めます。むしろズームリングの構造が意外というか。AFレンズをここまで分解するのは初めてなので他のものは分からないのですが。パッと見で焦点距離の変動は無段階にリニアでなく段階的に読み取っているように見えます。
五本のラインだと2の5乗で32段階を設定できるのですが、これはおそらく下の四本のライン(2の4乗)で焦点距離を16段階に切り分けているようです。四本のケーブルを縦にバーコード的に見て取ると16パターン確認できました。恐らく一番上のラインは補助的に各領域内での焦点距離の変動を読み取っているのではないか…などと予想してみるわけですが、このあたりはホントに適当言っているので信じないでください。
さて、冒頭で紹介した三つのパーツがあればMFレンズができそうなのですが、流石にここまでに。むしろ鏡胴のカムの構造がスゴくて観察できて良かったなぁと。代替機を拾ってきたのとは別の同じジャンクコーナーにこのレンズ対応のフードがまだあったのを買い忘れていたので後日再訪して追加で三つ確保。併せてこのフードが五つも放り込まれていたわけで、このレンズの普及ぶりがうかがえます。
このCanon EOS Kiss III Lと標準ズームSIGMA ZOOM 28-80/3.5-5.6 MACROの婿入り先の若者は手に取るや否や凄い凄いと大興奮で撮影をしておりまして、その姿におっちゃん色んなおまけつけたくなりましたよ。
カメラやレンズをスペックで殴り合うマウンティングの道具にしているカメラオタクではこうはなりません。
Kissに偏見の無い若い子はいい!ある意味でやっと最晩期普及帯プラ製AF一眼レフ=ママさん一眼レフが、素直にその真価を発揮できる幸せな時代がやってきたともいえるのかなと。
少しでも「写真」をやってみたいという若者の入り口としてこの類いのカメラを届けられるよう努力していきたいと意を新たにした次第です。まる。
Zorki のレリーズボタンとか外付けファインダーとか
突発的な更新ですが、前回と同じくツイッターのまとめ。
ちょうどシャッター幕を張り替えて試写のためにフィルム消費中のZorki初期型。
Zorki/Fedの参照元のバルナック型との大きな違いはレリーズボタンにレリーズケーブルをつけられる様にしたことで、立派な改良点なのですが、これがまた個体差またはバージョン違いによってシャッターが切り難いことがありまして、この水準機付きボタンはかなり良いです。ノーファインダーでやってるときに巻き上げノブと間違えるあたりが未熟者ですが。
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なお、Fed / Zorkiともホントの初期の初期型はバルナックライカに近い形状だそうです。Fedは所有していますが、Zorkiの方は現物は確認してません。
ものによってはこちらを付けています。三個セットで890円と嘘みたいな値段ですが充分な実用品です。付く付かないは自己責任でお試し下さい。ま、安いので。
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これまた手持ちのZorkiです。
細かいバージョンは昔は確認していたのですがもう忘れました。
一見キレイなのですが、この個体はスプールの下部の羽根をねじ切った、この個体とセットだったスプールでしか正常動作しないという嘘みたいな話があります。工業製品の精密さと大工仕事のおおらかさが同居するのがソビエトカメラの魅力と言いますか。
さて、こちらのJupiter-12をつけている方にはずっとターレットファインダーをつけていたのですが、これが重いし覗きにくいしどうしたものかと思っていまして。手元のソ連製35mmファインダーはシューが硬くてつかないのです(同じメーカー製なのに!このバージョン/個体ごとのシューの厚さの違いもよく報告されるところ)。
というか手持ちの外付けファインダーのほとんどが付かない固さで。
まぁ、もともとレンジファインダー機、特にバルナックライカおよびそのコピー機で撮っているときは半分ノーファインダー(妙な言い回しだけれど)みたいなものでフレームの中心に対象が入っているのがパッと確認できれば充分なのです。
そこで思いついたのがSIGMA DP2xにつけているVF-11。
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そんなわけで、冬眠中のDP2xから外したVF-11をZorkiへ。
幸い固いアクセサリーシューにもなんとか嵌まりました。しばらく使っていなかったので接写してみると流石に汚れが目立ちまして掃除してやらねばいけません。随分しっくりきて持ち出したくなります。ドンドン取りたくなる気分にさせる、というのはなかなかバカに出来ることではありません。
Fed / Zorki / バルナックライカでスナップを撮っていると、こまかにピントを合わせたり絞りを変えたりはしなくなります(私の場合)。
町を歩いていて、そのときどきの天気や場所(日陰・アーケードの中など)に合わせてシャッタースピードをおおまかに変えます。これは習慣づいています
あとは撮りたいもの / 構図に身体が飛び込んだときに、自然にシャッターが切れています。体感的には一番シンプルで"早い"と感じられる撮影で、それがとても気持ちがよいので、そのあたりが私が未だにFedやZorkiを使っている理由でしょうね。
Fed銘 エクステンションチューブ + SONY α7 + 諸レンズ
少し前のKMZ製のターレットファインダーを探していたのだけれど、そのときは見つけだせませんで。
ふと気づくと、銀塩EOS Kissシリーズ(×5台)の台座となっているボックスの確認を忘れていたのであけてみると、ターレットファインダとかフォクトレンダー銘(COSINA製)の15mmファインダー辺りとか各口径のフィルターとかいろいろ。おまけでAGAT-18Kとスメハチ。(よいカメラだが当分使うあてがないので委託を考えよう…)
さて、このとき存在を忘れていたFed銘のエクステンションチューブを発掘した。
以前何かのレンズを買ったときにおまけに付いてきたのだと思うけれど詳細は忘れた。手に入れたのはよいものの、解説も無いしレンジファンダー機で目測マクロ撮影なんて無茶だしストリートスナップ中心の私には無用の長物なのでそのまましまい込んでいたわけだ。
さて、今回改めて考えてみると、Fed銘がついていたことでL39マウント用と思い込んでしまったところがあるのだけれど、そもそも用途を考えればむしろ一眼レフのZenitなどのM39マウント(マウント系はLマウントと一緒でフランジバックを一眼レフ用に調整してあるソ連の一眼レフマウント)用と考えた方が正しいのでは無いかと考えて調べてみると実際そうだったようだ。もちろんL39マウントでも使える。
それにどうやら本来は4パーツあったらしいが手元にあるのは3パーツだった。4つのチューブを組み替えることで様々な焦点距離を実現できるのだろうが、それを確認するまでの興味は無いのでとりあえず3つ全部くっつけて試写をしてみることにした。
なお、Lマウント用のアダプターにmukカメラサービスのヘリコイド付きのものを使っているので、本来の4本セットに近い撮影能力になっているものと思われる(適当)。
またRAWでは撮ってません。JPEGで撮ったのをフリーソフトで簡易に調整しております。その程度のお遊び企画で結構な方は読み進めてくださいませ。
(注意) このときは本来遠出する予定だったモノが大変な悪天候なため車を出せず、閉じ込められた室内で日中から台所でつまみ作りつつ飲みつつの撮影という馬鹿な遊びなので、妙な作例ばかりなのはご容赦を。
(追記) 以下の作例のうち、α7にエクステンションチューブとレンズをつけた状態を撮っているのはKONICA MINOLTAのA2です。普段物撮りにつかっているα7が被写体になったため持ち出したある意味α7のご先祖様ですが、この時代のデジカメはハイエンドでもISO400以上にすると大変なノイズが乗ります。その辺りの事情は割引いてお楽しみください。
(追記の追記) 筆者がソビエト関連のカメラやレンズについて真剣に調べていたのはもう何年も前のことです。また、ブーム時点に発行された著作等に細部に間違いやミスが散見されるため、各レンズやカメラについて興味を持った方は、ご自分で詳細を確認することを宜しくお願いします。
その1 / KMZ Jupiter-8 50/2
Zorkiの定番標準レンズJupiter-8をつけるとα7でここまで寄れる。本来の最短撮影距離は1mであることを思えば驚異的な接写能力だ。
しかし、どこまで近寄れるのかを見るのに開放で撮っているのもあるにしろ、被写界深度の薄さに、やはりこのチューブはRF機ではなく一眼レフでないと実用は難しいと実感。RF機でやるなら三脚に固定して正確に距離を測定しての物撮りでも無いとむずかしい。
なお、被写体のZorki-4kはこのとき距離計の調整をしていまして、このファインダー横の飾りネジを外すと中に横のズレを調整するためのネジがあります(縦を調整するには軍艦部を外す必要がある)。
その2 / KMZ Jupiter-9 85/2
安価なポートレートレンズとして一時は人気を博したJupiter-9 85/2を載せてみる。さっきは撮り忘れたが、装着時の様子はこんな感じ。レンズ本体が大きいのでそこまで違和感はない。
前述の通り、アダプタにもマクロ機能があるので、最短距離1.5mのレンズがエラいことに。開放でとるとどこにピントが合っているのか分からないくらい被写界深度が薄いのでF5.6に絞っているがそれでこれである。
その3 / Leitz Summitar 50/2
ソビエトレンズばかりでは何なので、手持ちのLeitz Summitar 50/2を付けてみる。装着時の容貌に少々異様さが滲み出し始める。
結果は、桁が違うというか。
その4 / Industar-22 50/3.5
装着時の姿がいよいよ奇天烈なものに。これまたZorki/Fedの定番Industar-22。
沈胴レンズでその外見はElmarそっくりだが、実際のレンズ構成はテッサー型なので写りの傾向は違う。
(再掲)なおこのときは本来遠出する予定だったモノが大変な悪天候なため車を出せず、閉じ込められた室内で日中から台所でつまみ作りつつ飲みつつの撮影という馬鹿な遊びなので、妙な作例ばかりなのはご容赦を。
α7のEVFは設定反映ONにしているのだが、はき出してくる画とは印象がかなり違っている。