書肆萬年床 光画資料室

写真史や撮影行為にまつわるあれこれ、またはカメラ等についてよしなしごとを放り込む納戸

東郷堂 販促チラシ

東郷堂の当時の販促チラシが届きました。

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東郷堂の特約店が「書店」だという実例を実際のチラシで確認できました。裏に手紙のような何らかの文章があるものと思ったのですが残念ながらそちら側にはなにもなく表側から併せて置かれた葉書か何かのインクがしみてしまったものでしょうか?

暗室不要・白昼現像を用いる子供向けの円カメラで支持された東郷堂ですが、実際にはそれらはあくまで入門機で本格的なカメラをラインナップしていました。この写真ではボケてしまっていますが、チラシに掲載されているなかでも円カメラと言えるのは本来的にはミカサ號だけであって、子供向けの初心者研究用とされるのもナイス號までです。

以前にも紹介していますが、有志が公開してくださっている東郷堂のカタログで当時のラインナップが確認できます。

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しかし、以前触れたように東郷堂は当時のカメラ流通からは色物とみなされて相手にされず、そのため従来の問屋やカメラ店に頼らない自前の専門店や特約店を中心として海外まで広がる独自の一大流通網を築き上げます。平成の現在ならともかく戦前ではとんでもない偉業でした。

このあたりの物語をいつか誰かが描いてくれないものかと思うことしきりなのです。