書肆萬年床光画関係資料室

写真史や撮影技術、カメラ等について研究趣味上のメモ置き場

20200118 トルハルバン

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トルハルバンは韓国の済州島にある石像で道祖神的なものらしい。これがなぜうちの敷地の隅にひっそりとたたずんでいるかと言えば、本家が元々東シナ海の離島にあって水産業を営んでいて、当時の感覚で言えば海を挟むというのはお隣さん感覚だったことと関係しているようだ。

私は直接に関係がないので記憶も曖昧だが思えば本家には民主化以前の韓国からも、結構頻繁にお客さんが尋ねてきていたように思う。

もちろん日本と韓国の近代現代史には難しさがあるのだけれど、朝鮮半島南部と九州北部の民衆史となるともっと複雑に錯綜している。

以下の現像結果。

photoworks.hatenablog.com

岡井耀毅 1992 『日本列島写真人評伝 -風土と写真の光景-』日本写真企画

** 岡井耀毅 1992 『日本列島写真人評伝 -風土と写真の光景-』日本写真企画

恥ずかしながらこの本を知らなかった。平成に入ってからの出版なのにも驚くのだけれど、フォトコンテスト(現フォトコン)の別冊とは…本誌の連載の単行本化だろうか。

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この取材ができる人間がいてまた広汎に読み手が存在するギリギリのタイミングだったろう。今ではもう無理だ。取材することも厳しければ、この題材でこの様なムックを出せるだけの市場がない。

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この本のお陰で分かったことがいくつかあった。読み返せばもっともっと出てくるだろう。

自分なりに写真史をまとめてみようと思ったときに、そもそも工業用途を主眼にした「写真」の歴史(というかそれこそが本流のはずだし写真史はそのものとしてはじまった)とか、「写真師」の歴史に弱く、またこのような地域ごとの写真クラブの活動にも疎いのでまったく話しにならず力不足を噛みしめる。

昭和末~平成初あたりに全国の写真師会が百年史的な記念誌を出しているのが目立つ。まさにその栄光の頂点からわずか十年ちょっとでカタストロフが待っていると当時予測するのは到底無理なことだったろう。

そもそも写真史を描こうとした時点で現在から「個人(=作家)の自己表現としての写真(=作品)」を過去に逆照射してしまうのはいささか拙いとは思うのだが、なかなか先は厳しい。

以前参加した企画の記事はこちら。

photoworks.hatenablog.com

撮影メモ 20200319 / Kiev IIa

*カメラ:Kiev IIa
*フィルム:FUJI ACROS
*撮影予定:2020/03/19
*撮影場所:職場周辺

メモ:諸事情で必要になり手に入れたKiev、シンクロ接点を追加したIIaというバージョンらしい。もっと初期の機種の方が生産体制が源流のContaxに近いため作りが良いというが、クラシックの領域のカメラは動作確認が取れているかどうかの方が大事だと思われる。取り急ぎ試写済みで出ている機体がこれだった。

動作確認は条件を揃えるためになるべくパトローネ入りの市販品を使っているのだけれどあいにくTri-Xが切れており、そろそろ期限を迎えるアクロスを詰めた。

身についているバルナック系の作法との違いにひと手順ごとに戸惑ってしまう。Fed / Zorkiの系譜には親しんでいるのだが、さて元の作法かソ連製の作りのばらつきか、見た目の印象と違い、触ってみた印象は決して良くない。

一つずつ操作を確認しながら使っていく。

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追記:巻き上げがこれで良いのかと不安になるほどゴリゴリしている。SSの変更もこれで良いのやら。色々作法があるとのことだが。1本目の現像結果は、さて、いかに?

追記 その2:最後、巻き上げすぎてフィルムを切断するハメに。力の加減がまだ分からない。そしてリールに巻いてみると撮影済みの部分がえらく短い。一応36枚まではいったように思ったが、おそらくキチンと撮れていない。こういうときに限って傑作をとったような気分になっていたりするのが(苦笑)

撮影メモ 20200318 / OLYMPUS L-3

*カメラ:OLYMPUS L-3
*フィルム:KODAK ULTRAMAX400
*撮影予定:2020/03/18
*撮影場所:職場周辺
*メモ:目測機でのスナップを繰り返していて、気分転換に以前から取り組んでいる別のテーマに取り組もうと思い立ったが望遠レンズの圧縮効果を使うには都合のいいレンズが黴で死んでしまったのだった。

そうすると机の脇に鎮座するLシリーズが魅力的に立ち上がってきた。

L-3:Lシリーズ:カメラ製品:オリンパス

表だって語られることはほとんど無いシリーズだが、そのフラッグシップの三代(!)目だ。OLYMPUSの90年代から00年代初頭を支えたAF一眼レフであり、35mm機・APS機・コンパクトデジタル・デジタル一眼レフにまたがるその歴史は先頃、APSフィルム関連専門同人誌サークル「先進写真機構」のK.I.Mさんが一書にまとめられたので興味のある向きはご一読いただければ幸いだ。

aps.booth.pm

状態の悪い個体が多く、また今となってはオプションの入手が難しいが使ってみて欲しい機種である。主流とはならなかったが、一般層~ハイアマ・一部プロに焦点を絞った故の個性が輝いている。

落下物

昼寝から目覚めたら机上から枕の横20cmの距離にこれが落下していたことに気づいたので今更ながら掃除にかかるなど。

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いかな軽量軽快が売り物のバルナック型コピーとはいえ、金属製グリップまでつけてMA化したこの個体が机上から頭部を直撃するのはさすがに危険だ。

布団の周辺はこんな感じでなんでも巻き込んでしまいそうではあるのだが。照明に近すぎて本が燃えかけたりね…