書肆萬年床光画関係資料室

写真史や撮影技術、カメラ等について研究趣味上のメモ置き場

MINOLTA α-70 とかいろいろ / AF一眼レフのはじめかた

何でかといわれると答えはないんですけれど、ミノルタのカメラが好きです、いや好きになっちゃいました。ミノルタというからにはフィルムカメラです、もちろん。

それもプラ製AF一眼レフの普及機ラインという、いまさら金銭的価値がまったくないようなクラスのがぐっとくるのです。マジで。

もともと私もこのクラスのカメラは馬鹿にしていたというか、下に見てたところがあるわけですけど、つーか、このクラス使うならクラカメ使うわ!ってなもんですが。

自分ではなくてフィルムを始めてみたい!という女の子たち(志は持っていても、あまりお金を持ってない)に相談されたとき、彼女らに紹介するのになにがいいかなぁーと思ったときに、あ、あのクラスがいいんじゃね、と思いついたのが、ママさん一眼レフ(って、これって今のデジカメ時代でも生き残った言葉だなぁ)と呼ばれたクラスだったわけです。

いや、こいつらをママさん一眼レフと呼ぶのは失礼に過ぎる気がするんです。

おすすめの理由としてはこの辺があると思うんですよ。

  1. 今のデジタル一眼レフに通じる操作性で違和感がない
  2. オートで撮ってもまず失敗がない

操作性について違和感がないってのは順番が逆で、デジタル一眼レフのほうがこの世代の一眼レフの操作性を踏襲したわけですけれど。

で、さらにあえてフィルムで撮るときにこんなところもメリットかなぁと思うんです。

  • シャッターを切るたびにワインダーがフィルムを巻き上げる感覚はしっかり味わえて、撮ってる!っていう喜びが湧き上がる。
  • 当然、背面ディスプレイなんてものはないので、「撮る」ということに集中できる。
  • ファインダーの出来がいいので、覗く喜びがある。
    • 腐ってもフルサイズ一眼レフなので、どんなにひどいファインダーでも、今のAPS-Cサイズのデジタル一眼レフの「確かにこれなら背面ディスプレイで撮ったがマシよなぁ…」と納得させられてしまうファインダーのはるか上をいっている。

デジタル一眼レフになって、便利になると同時に「撮る」ということに集中しにくくなったと感じるところがあるんで、まずこういうカメラをつかうことでデジタル一眼レフに戻った時に発見することも多いかなぁなんて思ったり。いや、フィルム時代なら当たり前のことばかりって言われればそれまでなんですけれど。

っていうか、ライカM Edition 60、マジでほしい。

こういうモノづくりができるライカってのはほんとにすごいブランドだよなぁって、さすがに200万だすならライカでもSシリーズとか、中判カメラのデジタルパック…と思っちゃうところもあるのですけれど、そんな画質ただの写真好きのレベルで必要かといわれると、それを取り扱えるだけのシステム揃えられんわ!となるわけですよ。

でも、ライカM Edition 60は撮ることに集中できるカメラで、多分そんなに中古価格下がらないというか、かえって将来的にプレミアが付くような気もしないでもなく、銀行の残高とじっとにらめっこしてみたり。くそう、去年車を買い替えて(即金)いなければ…

いや、ほんとにAudiと組んだこの特別モデルのデザインもいいんですが、普通にライカM-Pのバリエーションとして出してくれないかなぁ。100万までなら…と思わんではないです。マジで。

閑話休題

あと、真面目に最近のデジタル一眼レフの、とくにAPS-C機のファインダーはひどいので、同じルーフミラーを使っているにしてもこの時代の一眼レフのファインダーを覗くとびっくりする若い人が多いです。マジで。

あとはこんなところかなぁ。

  • 安い。
    • いや、ほんとに。ジャンクには手を出すべきでないにしろ、実用品がうまくいったらレンズ2本とカメラバッグその他ついての標準セットで3,000円切っちゃう。若い子の飲み代ってのはどんどん安くなっているっていうけれど、さすがにこの値段ならやってみたいという人もいるんでないかい。

それでいて、いまのデジタル一眼レフの普及帯よりずっと面白い体験ができるよって。

でまぁ、やっとのことで話が冒頭に戻るってわけで、ミノルタの普及帯一眼レフをいろいろさわって、α-Sweet以降がよいと見定めたわけです。

それで、α-Sweetから始まって、S、II、70と続いて、どれも他社の同クラスの機種と比較しても、ファインダーといい使用感といい段違いによい!おすすめ!と思えるのですけれども…おっと、Sweet IIの皮を被ったSweet SであるところのII L、おめーは駄目だ。

残念ながら賛同の声は少ないようで…

実は、SweetやSweet IIは複数台入手して触ってきて、Sweet IIに至っては予備含めて四台確保しているくらい気に入っているんですが、α-70だけはミノルタ最終機と言うことで多少プレミアもついており、これまで手を出してませんでした。シャッタースピードなど機能的にも後退しているように見えたしα-70をあえて入手する必要性は感じいなかったのです。

すいませんでした!α-70の方向に向かって土下座敢行!

今回、ひょんなことでα-70を手に入れて試写してみたら、あまりの気持ちよさにどんどんフィルムを消費して行ってしまうレベル。

Sweet初代の安定感と、Sweet IIの尖鋭さを足してさらにインターフェイスを整理し操作性や使用感をブラッシュアップしたのがいぶし銀のカメラがα-70だったという印象で、これは明日もフィルムを詰めて撮り歩かないわけには行きません。

と気合が入っていたら絶望のどん底に突き落とされるニュースが…いや、ニュースというか気が付いていなかっただけなんですが。それは次の項で…